表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/11

Side:信長 1

わしは、つよくなければならぬとおしわった。

ちからを持つ者が上に立ち、力なき者は下をう――それが、この世の道理どうりだと。

わしはそれをうたがわず、しんじてきた。いや、信じねばならなんだ。


力をしめさねば、人はしたがわぬ。

を知らねば、られる。

いえを守るには、つるぎを抜け。

それが、生きるための“ただしさ”だと、信じんできた。


けれど――あやつと出会であって、わからなくなった。


あやつは、何も持っておらぬ。力も、名も、居場所いばしょも。

ただ、ふるえて、だまって、きずついて、それでも、生きていた。


あのとき、わしはあやつを守ると決めた。

おに”だと言われようが、さげすまれようが、それでも――わしの中の何かが、あやつを手放てばなしたくないとさけんだ。


まもること。しんじること。

うばうためではなく、うために、わしは力を使えるのかもしれぬ。


……それがよわさなら、弱くてもよい。

それがあまさなら、甘くてもよい。

わしは、もうまよわぬ。


あやつの目を、裏切うらぎりたくはないのじゃ。


――ハル

きかけた花のようなその名を、わしはこの胸にきざんだ。



次章 第二章:人と鬼の境

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ