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Side:信長 2

――くれないちぎりのよるしずかにれる。


にぎ感触かんしょくが、まだのこっておる。


ちいさくて、ぬくくて、もろい。

それでも、あやつはふるえるで――まえった。


「まもりたい」などと、あのわなかった。

ただ、こわいままで、かおるまえった。


それが、なによりとうとい。


わしは、あやつになにをしてやれるか。


けんわたせばよいのか? ちから使つかかたおしえればよいのか?

そんなものは、きっと、あとからでよい。


あやつがまよったとき、くちにできぬおもいをかかえたとき、

それをって、言葉ことばにしてやることが――わしの役目やくめじゃ。


おもえば、わしはずっと、“あらそいの意味いみ”をさがしておった。

つため、うばうため、いえぐため――

どれも理由りゆうにはなるが、こころやすにはりなんだ。


じゃが、あやつをていておもう。


あらそいのないをつくる」などと、だれかがくちにすれば、

わしはわらってながしていただろう。


たわむごと、と。


だが――あやつがうと、本気ほんきかなえてやりたくなる。


たとえ、それが「つみかさねるみち」だとしても。


ひとは、自分じぶんちがうものをおそれる。


それは、あらそいの


ならば――わしが“ちがうもの”を、すべれるおうとなろう。


おそれの矛先ほこさきを、すべてこのむねせてやる。


わしが“第六天魔王だいろくてんまおう”とばれるようになるのなら――それもよい。


あやつが、あやつのままでいられるためなら。


あやつのは、ちいさかった。

けれど、わしたは、だれのものともちがわぬ、たしかな“くれない”じゃった。


このいのちをもってしょうす。

あやつが何者なにものであろうと――わしのそばかぎり、だれにもわたさぬ。


ちぎりとは、まもることではない。

とも背負しょう”と、めることじゃ。


よるしずかにけようとしていた。

だが、わしらのやみは、まだふかい。


ゆえにこそ、このは、はなしてはならぬ。

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