004 ダンジョン王、難攻不落のダンジョンはクリアするが、ハーレムは脱出不可能
--------------------リチャードの視点。
俺はリチャード。ユイナ様の執事としてこちらの世界に仕えているが、どうしてこうなったのか。俺の人生、思い返すと波乱万丈だ。ちなみに、ダンジョン王とか呼ばれることもあるが、あまり名乗りたくない。
さて、目の前にいるのは魔狼エルフィーナ、暗黒の女神ルビー、そしてシルヴァーナ様の娘クロエ。何だか俺を取り囲んで、あれこれとアプローチしてくる。普通の執事業務では絶対に起こり得ない展開だ。世界を救うことより、こっちのほうが遥かに大問題である。
クロエはまだ幼いが、そんなこともお構いなしだ。エルフィーナの鋭い目つき、ルビーの挑戦的な笑みが、俺をじっと見つめてくる。今はただただ呆然としている。
「んん…んっ…」
ユイナ様とシャリオン様の声がバスルームから聞こえてくる。あれは何かの儀式だろう。考えない方が良い。
「そろそろハッキリしなさい、リチャード。」
クロエの声が耳に届く。何をハッキリしろっていうんだ。世界を救うなんて、大義名分はどうでもよくなるくらい、この時間が長すぎる。ああ、せめて何か別の仕事をしていたら良かったのに…と思わずにはいられない。
「誰を選ぶの?」
エルフィーナがその一言で圧力をかけてくる。彼女の目には、まるで狙われている獲物のような俺が映っているのだろう。
「私に決まってるでしょ?」
ルビーが、まるで当然のことのように言った。こんなことになるなんて、全く予想していなかった。いや、むしろ予想できるわけがない。
もし、俺が選べるなら、今すぐその場を抜け出して、静かな部屋で紅茶でも飲んでいたい。しかし、現実はそう簡単にはいかない。俺はひたすら、時間が過ぎるのを待つしかなかった。
うん、確かに、こうして3人の女性に取り囲まれているのは、普通の状況ではない。しかし、俺は決して動じない。いや、動じてはならない…いや、もう動じているけど。
世界が滅びるのは、こんな状況を終わらせるための唯一の解決策かもしれないと、つい思ってしまうのだった。
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(ただし、脱出不可能なハーレムも待っているかもしれませんが…!)