003 転生したら、シャリオンとお風呂の件
<ユイナ>
--------------------ユイナの視点。
私はユイナ。世界を救うだの、転生だのと、なにやら大層なことをしてきたけれど、最近またこの世界に戻ってきた。アレクサンドロス家の執事リチャード、魔狼エルフィーナ、そして暗黒の女神ルビーも一緒だ。個性豊かなメンバーだけど、毎日、シルヴァーナさんとロウィンさんの居城でパーティ三昧。あれ、これ、私、世界を救う冒険に出るんじゃなかったっけ?という感じだ。
「今日はシャリオンとお風呂に入る約束してたんだ。」
うん、何となく、でもしっかり約束はしてた。かつて子供だった剣の神シャリオンが、気づけば、あら不思議、色々な意味で大人になっていて、今では少し戸惑う部分も…。大人って、怖い。
「シルヴァーナさん、ヒロインの座を降りるみたいだし、いよいよ私のシンデレラタイムかも。」
思わず呟いてみたけれど、どうしてもシルヴァーナさんがヒロインの座を退くなんて信じられない。だって、あの華やかなシルヴァーナさんが… でも、まあ、いいや。これで私がその後釜を狙うことになるなんて、予想外すぎるけど。
「カワイイよ、ユイナ。」
シャリオンが言ったその一言に、私は思わず目を見開いた。あ、カワイイのは私じゃなくて、シャリオンだろう。だって、あんな子供だったシャリオンが、こんなに大人びて…。思わず、自分の顔が熱くなるのがわかった。いや、これが「大人の魅力」ってやつか?
「シャリオン、ちょっと!どこを触っているのよ!」と、冷静にツッコミを入れてみるも、内心では冷や汗が止まらなかった。今のシャリオン、まさかこんなことをするとは…。どこでどう間違えたんだ、私。シャリオン、あんた、大人になりすぎだよ!
一方、リチャード、エルフィーナ、ルビーたちは相変わらず賑やかで、少し騒がしいけれど、なんだかんだ楽しい。うん、この不思議な日々が私の新しい冒険なのかもしれない。でも、もしこれが「世界を救う冒険」だとしたら、かなりぬるい冒険だよね、って思うけど。
「まあ、いいか。」
私は無理に考えるのをやめて、シャリオンと一緒にお風呂に入る準備を始めた。どんな冒険が待っているのかはわからないけれど、今はこれを楽しむことにしよう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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