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018 運命のフォーチュンロール、そして彼女は言った

--------------------リチャードの視点。


旅立ちから一日目。


街道を抜け、森を越え、小川を渡り、木の根っこに足を取られて派手に転んだ俺は、今日という日を「新たな冒険」ではなく、「泥だらけの教訓」と名付けたくなった。


「リチャード、大丈夫?」


ユイナ様がしゃがんで覗き込んでくる。その顔はまるで天使。でも、手にはしっかりパンを持ってる。食欲の前では誰も優先されないのか。


「まあ……心と服が死んだだけです。」


「それって大丈夫なの?」


そんな天真てんしん爛漫らんまんな会話の裏で、ルビーは草をむしりながら呟いた。


「……出発してすぐこれじゃ、先が思いやられるわね。」


「いや、あの、全部俺のせいですか? 森が滑りやすかっただけじゃ……?」


「大自然は悪くないわよ。」とルビーがさらりと言い捨てた。


すげぇ、自然と友情に厚いなこの子。


エルフィーナはというと、地図とにらめっこしながら、メガネを押し上げた。


「次の村、“グリューデン”には今日中に到着できそうです。そこに例の占い屋がいるはずですから。」


「占い屋……って、あの“全未来対応型フォーチュンAI”ってやつ?」


聞いた瞬間、俺の記憶がフル回転した。確かにシルヴァーナ様がそんなワードを口にしていた。


「正確には“AI搭載・多次元未来観測ユニットNo.13・ミスティリア”ね」とエルフィーナが淡々と告げる。


……説明口調すぎて逆に怖いわ。

あだ名「ミスティ」でいいだろ。


「未来視って、そんな都合よく使えるのかな?」


「“ユイナのラッキー補正”があれば、だいたい何とかなると思います!」とクロエがぴょこんと手を挙げる。


……希望と勢いだけで未来を乗り切る気か、この子。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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