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第一部「夢現の狭間」その7

目次


第16章「(くち)無き証拠」

キッチンの間取り

第17章「キッチン」

あとがき


第16章「(くち)無き証拠」


「この血痕があったのはソファの下…でしたよね?」

「あぁ。」

「そして、ソファやその周りの物には血も鱗も着いておらず、ただここにポツンと小さな血痕と1枚の鱗があったという事は、血痕ができた後にソファや近くにある小さなテーブルが用意されたはずです。」

「証拠を隠滅したとかじゃないんすか?」

「いや、このソファの布とかテーブルの木とかに着いた血は綺麗(きれい)に消せねぇんだ。できないことも無いんだが…薬とか使って消したら色が違って見える…だろ?」

「そうです。詳しいんですね!」

「確かに…完全に元通りにできるんだったらこの血痕と鱗を取り除かないのはおかしいですよね…」

「でも…わざわざこんなちっちゃい血のために新しい家具買って隠す必要あんのか?」

「はい…そうなりますよね…実は不可解な点は他にも有るんです…」

「その分かんない事って何すか?」

「この血痕の形と血の量が合わないんです。」

「そんな事まで分かんのか?」

「はい。」

「血痕の形と…血の量が合わないってどういう…?」

「そうですね…分かりやすいイメージとしては…絵の具の様に、少しベタっとした物で考えると分かりやすいかもしれません。」

「なるほど?」

「イメージするのは皆さんにとって身近で、血液のように少し粘性のある液体に近い物をイメージして頂ければ大丈夫です!」

「それで…ここからどう考えればいいんですか?」

「では…皆さんが分かる様に絵の具に例えて話すと…高いところから絵の具を落とすと、落下地点に少し崩れた絵の具の円ができて、その円を中心に絵の具が尾を引くように飛び散りますよね?」

「あ〜!打ち上げ花火みたいな形ですかね?」

「はい、そうです!」

「そんで?」

「その絵の具が落下した場所にまた同じ条件で絵の具を落とすと、円は初めより大きくなり、またその円を中心に絵の具が飛び散ります。これを続けていくと、最終的には中心の円が大きくなり、飛び散る絵の具はその円に吸収…最終的に、中心に集まった絵の具が周りに広がっていって水溜まりの様な形になるはずです。」

「…なるほどな。そう考えると血の量が合わねぇ…」

「なんとな〜く…分かったような気がしますが…」

「つまり、このちっちゃい鱗を覆い尽くすくらいの血だけじゃこんな円形にはならねぇって事だよな?」

「はい、そういう事です!」

「じゃ…じゃあ、わざとじゃ無いなら、魚の鱗の上に…たまたま血が落ちたって事になっちゃいませんか?でもそれだと…血が飛び散らない高さから正確にここの部分にだけ血が落ちたって事に…?でも…そんな事有り得ないですよね?」

「はい…」

「そもそも鱗がある意味も分かんねぇし…」

「謎が謎を呼ぶってほんとにこの状況っすよね。」

まさに彼の言う通りだ…

たった1枚の魚の鱗、ピンポイントな血痕、新品同様の家具…

いや…

今思い返してみると、今まで見てきたほとんどの物や場所が綺麗過ぎる。

新築の家にしても、この血痕の色からして数週間は時間が経っているはずだ。

人の手入れがあったとしても、どのにも(ほこり)や抜け落ちた髪の毛が一切無いのが少々気がかりだ…

窓が無く白色で統一された部屋、奇妙な間取り、開かない扉と古い扉…

それにトイレもゴミ箱も無く、電波も通らない。

それにあの壊れた時計は?

どこにも傷ついた部分は見られず、針が1時で止まったまま動かない。

比較的に分かりやすい手がかりは残されたメモのみ…

しかし、メモの内容もこの状況を完全に解決するには至らない。

「じゃあ…そろそろ休憩はやめにしてさっさと動こうぜ。」

「そうですね…あぁ、早く家に帰りたい…」

「きっと、後もう少しで帰れますよ!」

「後はキッチン調べたらここはもうOKっすね。」

「それでは…頑張って鍵を探しましょう!」

あぁ…ジョセと皆さんは私が居なくても大丈夫でしょうか…

早く帰らないとまたジョセが1人で辺り一帯の犯罪組織のアジトを壊滅(かいめつ)させながら誘拐犯を探しに突撃して…

皆さん…ジョセの欠点は私の事になると一切周りが見えなくなる事だけなので…それ以外は完璧な良い子なのでどうか…許してあげて下さい…!


キッチンの間取り


挿絵(By みてみん)


第17章「キッチン」


う〜ん…気のせいだったのかなぁ…

ジョゼフィーヌさんの目が…血を見た瞬間に(あわ)く光ったような…

でも光るわけないよなぁ…

まぁ…いっか!

本人に直接聞く勇気無いし!

勘違いだったら気まず過ぎて死にたくなるし!

とりあえず何かないか探そ。

キッチンは…カウンターがめっちゃオシャレなんだよなぁ。

カウンターは全体的に白色で、1番左にあるシンクはちょっと大きめで、真ん中が…まな板置く所かな?

その隣が電気の…え〜っと…IHコンロだ!

上にあるのは換気扇?

家にもあるけど正式名称とか調べたこと無かったなぁ…

まぁ多分あってるでしょ!

コンロはフライパンが2つくらい置けそうで…

その下にあるのが…グリルで…

グリルの下に大きめの…ドアみたいに開けるタイプの収納スペースのやつ…名前分かんない。

引き出しは…6つか!

何かあったら良いなぁ…

後は…でかい冷蔵庫だけか。

ってキッチンにあるのカウンターと冷蔵庫の2つだけ?

「私が冷蔵庫を調べるので、カウンターの方は皆さんにお願いしても良いですか?」

「はい!」

「OKっす。」

「分かった。」

「ありがとうございます、引き出しを開ける時はゆっくり開けて、危険物が無いか確かめてからにして下さいね!」

「よし…じゃあ俺がカウンターの周りを調べてみる。あんた達は引き出しとかがある方を調べてくれ。」

「OKっす。じゃあ僕は左側調べるっすよ。」

「あ…じゃあ俺がコンロ側の方調べますね!」

コンロは…まぁ普通か。

グリルは…ただのグリルか。

1回も使われてないくらいピッカピカだなぁ…

…うん、手に油も汚れ持つかない。

下のやつは?

鍋とかフライパンあるかと思ったけど…何も無いなぁ。

…閉めよ。

ってドアみたいなやつの裏に何かあったァ!

これは…ナイフか!

でも1本だけ?

「あの…ナ、ナイフありました!1本だけですけど。」

「ナイフホルダーに刺さってたんですね!見せてくれませんか?」

「はい!取ってみますね。」

…これナイフホルダーって言うんだ。

あれ?

このナイフ…料理用じゃない気が…

「これは…ダガーですね!短剣の1つで、一般的には余り使われないタイプかと…なぜこんな物が…」

「やっぱり…料理用じゃないんですか?」

「はい、これは…簡単に言うと戦闘用ですね。両側面に刃があって、グリップの上にあるガードが普通のナイフよりも大きいのが分かりますか?」

「確かに…」

「ここがナイフとの違いですね。ですが…利便性を考えるなら、サバイバルナイフの方が良いはずです。わざわざダガーを使うということは…持ち主の方にとっては扱いやすい武器だったのかもしれません。」

「これは誰が持っときますか?」

「それは…後で話し合いましょう!とりあえず、ホルダーに刺しておくのはどうでしょうか?」

「はい!」

とりあえず…使えそうなやつは見つかったけど…何でこんなのがあるんだよ!

まぁ…役立たずにはならなかったし良いか…!

じゃあこっちの引き出しは?

1番下は…何も無し。

真ん中は…何も無し。

1番上は…鍵だ!

「鍵ありましたよ!」

「またまたお手柄ですね!見せてくれませんか?」

「はい、コレです!」

よっしゃ!またなんか見つけれた!

まぁ…玄関の鍵じゃなさそうだけど…

「これは、恐らく風呂場の鍵です。これで新しい所を調べられますね!」

「あ…あの、皆さんは何か見つかりましたか?」

「こっちは何もなかったっす。」

「あぁ、俺も何も見つからなかった。」

「私もですね、まるで新品の冷蔵庫です。全く人が居たような生活感を感じられません…」

「そういえば、コレ誰が持ちます?」

「さっき話してたヤツっすか?」

「はい、ちょうどここに刺さってて…」

「誰が持つか…そうだな…」

「提案なんすけど、僕は素手の方が何かあった時に構えやすいんで、カッターも誰かが持って良いっすよ。」

「俺も素手の方が慣れてるから…あんたらが持ったらどうだ?」

「じ、じゃあジョゼフィーヌさんがどっちも持っててください!俺は戦えないんで…」

「それはやめておきましょう。」

「え?」

え?

「何でですか!?」

「私は既にリボルバーを持っているので、ダガーは持っていて下さい。」

「い…いや…俺が持ってても意味無いですよ?持つとしてもカッターの方が…」

「これにはしっかりとした理由が有るんです。カッターナイフは刃が折れやすいので、身を守るのに適していませんが、このダガーはカッターナイフよりも刃が広く、ガードが付いているので、戦うだけではなく身を守るのにも適しているからです。」

「そもそも、銃とナイフ持ってても絶対に銃しか使わねぇだろ。」

「じゃあ…医療箱は誰が持つんですか?」

「俺が持っとくぜ、俺も手当くらい出来るからな。」

「じゃ…じゃあ…ダガーは…俺が持た…持たせて頂き…」

「大丈夫ですよ、流輝さん!確かに、武器を持つことに抵抗感はあると思いますが…武器を持ったからといって必ず戦わなければならない訳じゃないんですから!」

え?

でも武器って戦うためのものじゃ…?

「武器は身を守る為の物でもあるんです。相手を先に倒して身を守るのでは無く、相手の攻撃を受け流したり、弾いたり、受け止めることも出来ますし、持っているだけでプレッシャーにもなるので、流輝さんは自分の身を守ることだけを考えて下さい。」

「そもそも戦いが起きないかもしれないっすよ。」

「そう…ですよね…」

「無理に戦おうとしないでもいいんです。誰だって向き不向きはありますし、戦えなくって当然です。戦えないから役立たずなんて事は絶対にありません!むしろ、戦える方の方が少ないと思いますよ?」

そう…だよな。

任せっきりなのは良くないと思うけど…出来ないことを無理やりしようとして失敗したらもっと迷惑かけちゃうし、ジョゼフィーヌさんだけの方が絶対に戦いやすいよな…

ずっと守られっぱなしなんだから…

せめて、自分の身は自分で守らないと…!

それに…戦いなんて起きないよな!

てか絶対に起きるなよ…!

全員無事で家に帰れないとか俺が無事でも1番最悪だし…

大丈夫…戦おうとしなくても良いんだ。

でも…もしもの事があったら…

皆だけでも絶対に…!!

「そうですよね、じゃあこれは俺が持っておきます!」

「はい、お願いしますね!」

「なんか、流輝君がいきなりシャキッとしたっすね。」

「え?そ…そうですか?」

「そんな事より、あんたは早くカッター渡してやれ、そんでお前は俺に医療箱渡せよ。さっさと風呂場に行って…何か無いか探そうぜ。」

「そうですね、ここまで玄関の鍵が見つからなかったということはバスルームにあるはずです!」

「今は良いことだけ考えた方が良いっすよ。」

「ちょっと、星次さん。俺が鍵持ってるんですよ!待って下さい!」

「ふふっ…元気になって良かったです!」


あとがき


ここまで読んで頂き誠にありがとうございます!


とうとう物語が後半へと差し迫って来ました!

次の話で、展開が一気に加速していくと思います!


よろしければ最後までこの物語にお付き合い下さいませ!

コメント・感想もお待ちしております!


それでは次回をお楽しみに!

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