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第一部「夢現の狭間」その4

目次


第9章「集団幻覚」

第10章「(うごめ)く闇」


第9章「集団幻覚」


「それではテーブルに広げてみますね。」

「紙が破れて血が着いてるっすね。」

「…とりあえず読めるところは読もうぜ。」

…日本語で書かれてるってことはここに俺と同じ日本の方が居たのかな?

もしかしたら、ジョゼフィーヌさんみたいに日本語が上手な外国の方かもしれないけど…

血が着いてるってことはもしかしたら…

いや、考えたくない!

生きてる事にしとこう!

メモの内容見てから決めよう!


メモの内容は…


『記録No.2より30分が経過

前々から異変を感じていたが、まさか2人があんな怪物になるとは…やはり禁域は混沌と邪悪の世界なのだろう…私はもう教団に帰れない。

友よ、置いていくことを許してくれ。』


ん?

怪物、禁域、教団…?

何かオカルト臭が…っていうか明らかにそっち系のヤバいやつ…

ほ〜ら、星次さんも春喜さんもキョトンとしてるし…

「え…?」

流石のジョゼフィーヌさんでも困惑しますよね…

「皆さん…メモの内容はよく分かりませんが、少なくともあと2枚は記録が残っているはずです。」

「いや落ち着きすぎでしょ!はっ…すいません!」

やべぇ…俺ごときが初対面の美しい女性に生意気な口をッ!!

死にてぇ!!!

「ふふふっ…大丈夫ですよ!良く同じ部隊のメンバーにも冷静すぎるって驚かれるので!」

「あ…そうなんですね!」

…良かったぁ〜!

てか女神かな?

俺みたいなクソ根暗野郎が生意気な口聞いてるのに笑って流すって女神かな?

「…てか、なんの事か全く分からねぇしイカれた奴が書いた文章にしか思えないんだが…」

「そうっすよね。」

「なぁ、文字の書き方から何か分かんねぇか?俺にはちょいと焦って崩した日本語程度にしか…」

「俺もそう思います。」

「え?」

…何で困惑してるんだ?

俺なんかおかしいこと言った?

「皆さんには…日本語に見えるんですか?」

「じゃあ、それ以外に何があるんだ?」

「……流輝さんと春喜さんも日本語に見えますか?」

え…?

俺おかしくないよね?

あれ…何か…焦りと不安で文字が歪んで見えてくるような?

「僕も日本語に見えるっすよ?」

良かった!

「お…俺…俺もです!」

「何でどもってんだよ…」

…めっちゃ考えてる。

ジョゼフィーヌさんが左手を口に当てながらめっちゃ考えてる。

「皆さん…私がこれから言うことは馬鹿げていると思いますが…落ち着いて聞いてください。私には…この文章が英語に見えます…」

え?

「え?」

「は?」

「それともう1つ報告します…私は流輝さんが起きて英語で話し始めた後からは日本語を使っていません!」

……………へ?

「俺は…英語は一切使ってません…よ?」

「私は、今も皆さんとずっと英語で会話をしていますが…?」

「つまりあんたには…俺達が話しているのが英語に聞こえるってことか?」

「そう…なります…」

「…ジョークなんかじゃねぇんだよな?」

「違います!それに私はジョークを言いません!」

あの目と声のトーン…ジョゼフィーヌさんはマジで言ってるのか!?

「それでは…今から英語でメモの内容をこの紙に書いてみますね。…ペンの先を良く見てて下さい!」

一体何が…起きてるんだ?

『30 minutes have passed since record No.2』

「英語に見えるんですけど…?」

他の2人は?

「あ〜…ちょいと言いにくいんだが…あんた頭使いすぎて疲れてんじゃねぇか?急に英語見せられ…て……も!?」

「日本語に…なってるっすね。」

え?

いやいや…

「皆さんも疲れてるんじゃないんですか?」

「お前もう1回見てみろよ!」

「え?ただの英語で………」

『記録No.2より30分が経過』

なにこれ怖い。

「もしかして手品…とかですか?」

「断じて違います!」

「あぁ…手品なんかじゃねぇ!」

「瞬きしたら変わってたっすね。」

「…なにそれ怖い。」

じゃあ…逆に俺達が日本語で同じ文字書いたら?

「えっと…紙とペン貸してくれませんか?」

「はい!」

「じゃあ…逆に俺が同じところ日本語で書きますよ?」

「はい!」

…めっちゃ見てる。

超ガン見してる。

「どうですか?」

「日本語に見え……!?」

「やっぱりあんたも同じか!?」

今…俺が全部書き終わって、ジョゼフィーヌさんが瞬きしてから驚いてたよな…

「あ…あの…もしかしてなんですけど…」

あぁ…めっちゃ皆こっち見てる…

「ま…瞬きしたら…文字がその人の国の…言語に見えるようになるとか?」

「いや…多分だが…目を()らしたらじゃねぇか?」

「はい…恐らくそうなるかと思われます。そして、会話はその人によって解釈できる言語に置き換えられる…のかもしれません…」

「もしかしたら…魔法っすかね。フィクションにしか無いっすけど。」

「…気味が悪ぃな。」

「と…とりあえずそのメモ持って早く…で…出ませんか?」

「そうですね…」

……本当に何が起こってんだよ!!!


第10章「(うごめ)く闇」


「それでは皆さん、先程の順番で行きましょう。私が先頭を務めます!春喜さんは私の後ろを着いてきてください。」

「あ…あの星次さん、どっちが1番後ろに行きますか?」

「とりあえず、今はお前が後ろに居た方がいいだろうな。多分その方が安全だし、なんかあっても邪魔にならねぇだろ。」

「あ…そうですね。すいません、戦えなくって…」

「まぁ、その代わりなんかあったらお前が俺達を治療しろよ?」

「は…はい、最善を尽くします!」

「それでは皆さんはドアから離れていて下さい、何かトラップが仕掛けられているかもしれませんから…準備が整ったら言ってください!」

「OKだ。」

「OKっす。」

「い…行けます!」

「私がこの部屋を出るまで皆さんは待っていて下さいね!では行きますよ…3…2…1…!」

……特に何もねぇな。

扉の向こうにすぐ壁があって…床はフローリングか。

見たとこただの廊下で…普通の家と変わんねぇ…

「…ッ!?」

「どうした!?」

…何で銃構えてんだ?何か居んのか?

「皆さんは……何も感じなかったんですか?」

「いや…何も…」

「僕もっす。」

「お…俺も何も…」

「そう…で………」

「おい!どうしたんだよ!!」

あいつがあんなに目を丸くしてんのは初めて見たぞ…

「少しだけ待っていて下さい!」

「お…おい!」

「ドア閉めて行っちゃったっすね。」

「な…何か…良くない事でもあったんでしょうか?ジョゼフィーヌさんがあんなに焦ってるの…ただ事じゃない気が…」

「あぁ…そうだな。」

『何も感じなかったんですか?』ってどういう意味だ?

さっきから変な事ばっかりだが…あいつにだけ何か起きたのか…?

「…すいません、お待たせしました。」

「なぁ…どうしたんだ?」

「それは…直接見てもらった方が早いかと…ですが、かなり衝撃的なので皆さんはあまり見ない方が良いと思います…」

「とりあえず何があったか話して欲しいっすね。」

「あぁ、俺も気になる。」

「な…何であんなにびっくりしてたんですか?」

「そうですね…先に話しておいた方が皆さんも多少は身構える事も出来るはずですし…」

……身構える?

「それでは先程私が見たものについて説明しますね。」

一体何があったってんだ…

「私がこの部屋を出た瞬間に、左目の端の方で何かが…動いた様に見えたので銃を構えたのですが…」

「あぁ、さっきのですね。」

「はい、その時に私が見た場所には何も居なかったのですが…そこには窓があったんです。」

「右側には何も無かったのか?」

「右側には廊下が続いていて、階段と窓があるのは確認できました。なので、ひとまずは安全かと思います。」

「じ…じゃあ、窓に反射して何か映ってた訳じゃ無さそうですね。」

「はい、私もその可能性を考えていたのですが…窓の外には月の光さえ無い完全な闇が広がっていて……私が驚いたのはその窓を見続けていた時です。」

「…ただ外が夜で暗くなってるんじゃねぇのか?」

「いいえ…あれは夜の闇なんかじゃありませんでした。その窓の外の闇は……(うごめ)いていたんです…」


あとがき

ここまで読んで頂きありがとうございます!

感想もお待ちしております!


X(旧Twitter)にて、私の小説に関する報告やお話をしております。

@Jyoze628と調べていただけると出てくると思いますので、そちらもぜひご覧ください。

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