始まりの世界。-4
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素早く回復を済ませ帰ってきたのは狙った通りのテントの中。というのも転移魔法は座標が分かっていればいいのでその座標を魔力的に記憶させた魔石があれば帰るのも容易だからである。そして翻訳の魔道具の状態を見る。
(朝になって村人の会話が増えたのを拾えたのかな。これだけあれば粗削りだけど創れそうだ。)
「【魔法創造:翻訳魔法・種別:補助】」
魔道具の情報をもとに空中に魔法陣が描かれていく。描かれ終わった魔法陣に魔力を流す。魔法を使うときのの感覚を魔力を流して覚える。
魔力の感覚を掴んだアウスは早速魔法を使う。
「【魔法実行:翻訳:始まりの世界第一言語】」
輝く魔力の粒子がアウスの近くを舞う。
(外に出て効果の程を確かめるか。)
外に出て村人を探す。ちょうどいいところに朝の井戸端会議をしている二人組を見つけたので近づいていく。だんだんと会話の声が聞こえるようになってくる。
「そうですねぇ今日もいい天気で。」
「はい、このまま順調に行けば農作物も去年よりも多く取れそうですって。」
(うん、しっかり機能してるし思ったよりもいい感じだな。)
翻訳魔法の効果は分かったので簡易拠点に戻ってテントを片付ける。そして一度村の外に出てから隠蔽魔法を解いて再度村へと入っていく。どうやら旅人が珍しいようで若干不思議な目で見られている気がするが警戒心は無いようだ。村の中に宿屋があったからなんとなくそんな気はしていたが。
そしてその宿屋に入っていく。
「いらっしゃい。こんな辺境に旅人だなんて、物好きもいるもんだねぇ。」
(ここは辺境なのか。元の世界のどの村よりも原始的だからそんな気はしていたけど。)
「旅に目的なんてないですから」
(とりあえず話は合わせておこう。)
アウスはこの世界について何も知らない。それゆえに変なことを話してボロが出て疑われるのは避けたいと思っている。
「で、何泊するのかい?こういっちゃなんだがこの村には何もないよ。」
「では3泊でお願いします。長旅だったもので疲れが取れるといいのですが。」
「うちは人が来ないなりにも宿屋だよ、品質は保証するさ。」
「それで...いくらになるんでしょうか。」
「530ゴルトだよ」
(やっぱり立ちはだかるか、通貨の問題。)
別にアウスは元の世界から金貨などの通貨は持ち込んでいるしそれを本物のように見せるだけの魔法の技術もある。ただ枚数と種類がわからない限りどれだけ出せばいいのかがわからないのだ。
「すみませんが、お金の枚数で教えていただけませんか?計算ができないもので。」
(結構苦しい言い訳だが通せるか?)
「530だから...銀貨10枚と銅貨三十枚だね。」
「はい。ありがとうございます。」
「【魔法実行:幻像】これでいいでしょうか。」
小声で魔法を詠唱しながら硬貨を渡す。渡したのは銀貨10枚と銅貨30枚。ただしアウスが元々いた世界のものである。
「はい確かに。鍵はこれで部屋は2階の奥の方右側にあるからね。」
(銀貨50:銅貨1といったところか。とすると金貨があるとすれば2500くらいか。)
アウスは金銭の問題が解決して心の中が少し楽になった。
「では4日間よろしくお願いします。」
「あいよ。久しぶりの料理はおいしく作ってあげるからね。」
受け取った鍵で2階奥の部屋の扉を開ける。元の世界とあまり変わらない普通の宿屋だ。
(言語と金銭の問題は解決したな。そういえばさっきの女の子に会いに行った方がいいかもしれない。)
そう思ったアウスは荷物を置いて、宿屋から出るのであった。
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