プロローグ-2
7/13 23:22 改行について読みづらい箇所があったので修正
その後、王城を出たアウス。
(行く準備をしないとな。幸い資金はかなりある。)
「まほうやくーまほうやくはいらんかねー」
城下の市場の賑わいが聞こえる中、国王からの支給金を持って
(道具を調達しないとな。とりあえず武器と魔石と魔法系保存用の容器が欲しいな。あと特殊系魔法薬。手に入りにくくなるかもしれないし。)
そう考えたアウスは、
「あ、魔法薬、特殊系全部5個ずつで。」
「よう兄ちゃん!そんなに買うとはどっか旅にでも出るのかい?」
「まあ、そんなところです。」
袋詰めする店主をアウスが見ると、頼んだものよりも多く詰めている。
「あれ、5個よりも多い気が...」
「旅の途中で足りなくて死なれたりしたら困るからな!持ってけ持ってけ!」
「ありがとうございます。」
「おうよ!まいどあり!」
(これで魔法薬はいいな。)
アウスは魔法薬が作れないわけではないのだが研究ばかりしているアウスとしっかりとした魔法薬師では質がかなり違う。それ故自分で作るよりも買ったほうが良いと考えた。その後いろいろなものを買い、最後にたどり着いたのは国一番の武器屋。
(武器。後で自分で改造するにしても元の武器の質はとても重要。どこで買うかは慎重に決めないと。そして...この武器屋は素材持ち込みでも作ってくれるんだな。)
「こんにちは、武器の作成依頼ってできますか。」
「いらっしゃいませ。少々お待ちください。」
受付嬢に言われ、待たされるアウス。壁に掛けられている武器を見ると、
(どれもかなり良さそうなものだな。この店なら大丈夫そうだ。)
「素材は持ち込みでよろしいでしょうか。」
「はい、お願いします。」
「では奥にどうぞ。」
受付嬢に言われ奥にある工房に足を進めると、
「何を作ればいい。大体のものならつくれるが。」
職人のオーラを漂わせる工房主兼店長。
「この素材を使ってこんな感じの剣を作ってほしいのですが。」
素材と、あらかじめ書いておいた設計図を広げて話す。
「これは...相当いい素材だが、全部使っちまっていいのか。後で後悔しても知らないが。あと相当刀身が重くなるのを覚悟したほうがいいぞ。」
「大丈夫ですそのまま作っていただいて。」
「わかった。見たければ見ていけ。時間としては1時間くらいだ。」
(この後もうやることはないな。見ていれば何か気づきを得られるかもしれない。)
「では、見ていきます。」
「...」
1時間後
「できたぞ...っと」
「はい、ありがとうございます。ところでこの工房を少しお借りしてもいいですかね。」
「邪魔にならないようにしてくれ。そしたら構わん。」
「ありがとうございます。」
(やっぱり素材が素材だけに片手剣とは思えない重さだな。まあ魔法付与で解決するけど。)
アウスは魔石を魔法陣の頂点になるように配置し、周りに結界を張った。
(魔力の状態は安定してるな。よし。)
「【魔法付与:質量操作,魔導性強化】」
一瞬工房の中が明るくなる。しかしそれもすぐに元に戻った。変わったのは刀身の色合いが若干青色になったことか。そしてアウスはその剣を軽々と持ち上げる。
(成功成功。あとは研究所で精密な付与をすればいいかな。)
「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。」
アウスは最後の仕上げのために研究所へと戻っていった。
毎週木曜・日曜投稿予定。そのほかの曜日もやる気があるときは投稿します。
他作品と似ている設定、名前、展開などがありましたらコメントにて教えていただけると修正するときに助かります。また、こんな設定入れてほしい、こういう世界に行ってほしいなどの要望も可能な限り答えさせていただきます。