始まりの世界。-8
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そんなこんなで夕食の時間が近づいたアウスは、1階に降りてきていた。少しまだ時間があるようなので魔石に【魔力吸収】を付与したり、その魔石に入った魔力の記録をつけたりして時間を潰していた。
「なにをしてるんだい?見たこともないような文字で書いているようだけど。」
宿屋のおばさんに話しかけられたアウス。どうやら料理ができたようで水と食器を置きに来たようだ。
「研究者なもので、この辺りの魔力を調べてるんですよ。この字はちょっとした暗号みたいなものです。」
「熱心なもんだねぇ。ただ、おいしい料理が冷めちまう。早めに止めてくれないかい。」
「はい、もう持って来てもらって大丈夫ですよ。片づけるのにあまり時間はかからないので。」
「うちのおいしい料理を楽しんでいってくれよ。」
そう言ってキッチンに戻って行ったおばさん。そして料理を持って戻ってきたのはマウだった。
料理の類は翻訳が難しいが、直接会話する限りは意志を魔法で認知できるのでそこまで困らない。
「おまたせ。料理の紹介ね。これがヴェーカー草とスエーイの香草焼き...ってこれ言ってもわかる?」
「固有名詞が多すぎてさっぱりだよ。」
「だよね...でも、味の保証はするよ。おばさんが作る料理はとってもおいしいから。」
「ありがたく頂かせてもらうよ。」
並んでいるのはさっきマウが紹介しかけた魚の香草焼きと小麦のパン、そして木の器に入った具沢山のクリームスープとジャガイモを焼いたようなもの。見た目が似ているのを列挙していっただけでそのものと味や食感が同じとは言い切れないが。
最初に選んだのは主食のパン。主食は一番大切。食料が少ないとき、誰かに分け与えるとき、大体の場面で食べるのが主食。それゆえに主食の味は生活の質に直結する。
(...普通においしい。)
出たのはそんな感想。恐らく元の世界の町で売っているよくあるパンよりもかなりおいしい。客に出すものというのはあるにしろ水準はかなり高いほうだとアウスは思った。
次に手に取ったのはクリームスープ。主食とは違いいつもこのスープを作るというわけではないだろうが、中に入っているものから多少は食事情が分かる。
(これは...お肉はお肉でも食べたことがない食感と味だな。)
味付けはおいしい。肉もよく煮込まれていて柔らかく食べやすい。だが元の味があるのと食感も少し残っている。
「このスープのお肉って何を使ってるの?」
「あ、言ってなかったね。それは今朝倒したあの熊さんだよ。」
「熊さんって言うには大きすぎるような気もするけども。」
「でも実際あれ熊だし。」
「魔物だけどね。」
「ともかく、おいしく煮込んであればどのお肉でもあんまり変わらないでしょ。」
そう言われて食事に戻るアウス。ただ今の会話からアウスは
(この世界とまでは言い切れないけどこの村は普通に魔物を食べるのか。)
そんなことを考えていたりもする。
その後も気になる所をマウに聞いていたりしていたらあっさりアウスは夕食を食べ終えてしまった。
食事回って必要なんだろうか。(話の都合上足したけども。)
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