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アカギ戦記  作者: 饅頭
二章【魔法学園バーミンガム】
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高位魔法

 エヴァがガントレットを高らかに掲げるとその輝きは一層増していく。

 「〈エクスプロージョン〉」

 エヴァが呪文を唱えた途端ロンドン全域を覆うほどに大きな魔法陣が空に展開される。

 浮かび上がった魔法陣の中心にはエンシェント・ワンがいる。

 魔法陣が紅く輝き、周囲の景色が暁色に染まる。

 一瞬空気が大きく揺らぐ。

 まばゆい光と共に灼熱の炎が空を焼き、耳をつんざく轟音が鳴り響く。

 核爆弾が堕とされたかの如く大爆発が起こる。

 爆発によりキノコ雲が空に出現する。

 黒煙はやがてロンドンの大空を覆い黒い塵を降らせる。

 「流石はPSAの支部があるだけのことはあるわね。都市が無傷じゃない」

 本来都市一つ吹き飛ばすほどの威力を誇る戦闘魔法における火属性の高位魔法。それがエクスプロージョン。

 PSAの拠点が存在する場所には拠点に影響する反応を完治した際特殊防壁が地上に張られる。

 故に内部に侵入される前の外部からの攻撃には最強の防御性能を誇る。

 「さて肝心の元神父はどうなったかな」

 爆発によって発生した黒煙が徐々に晴れていくと共にエンシェント・ワンの姿があらわになる。

 一対の異形の翼は焼け落ちみすぼらしい姿になっている。

 【流石は高位魔法だ。魔法耐性をもってしてもこのダメージとは】

 「やっぱり生きてるよね」

 【当然だ。神のもつ耐性とはそういう物だ。故に私は無敵ともいえる】

 「でも外傷は残る。なら殺せる」

 【甘いな。まだ人間の物差しだ。人には無く神にあるもの、すなわちエーテル体である】

 「エーテル体?」

 【神性ともいうな。いわゆるオーラの様なものか。物質でなく概念にも近い。その濃度を神性として表せる】

 「それがなに?」

 【つまりこういうことだ】

 エンシェント・ワンの朽ちた翼を淡い光が覆う。

 するとたちまち翼は元の状態へと修復されていく。

 【エーテル体を放出させることで肉体の修復は可能だ。別に放出しなくとも修復は出来るが、因みにだがこのエーテル体を人間が浴びるとどうなると思う?】

 「さぁ?」

 【エーテル体を浴びるとまずは自身の保有する魔力で中和する。だが保有する魔力が切れたら?体の感覚器官がマヒしだす。症状は人によるがね。やがて何も感じずすべての器官が機能しなくなり死に至る。といってもこれは高濃度の場合だが】

 「じゃああんた程度じゃ気にする必要ないな。〈トランスマギア〉」

 黄金のガントレットは再度魔法少女の装いへと姿を変化させる。

 【そう気にする必要はない。だが君ごときでは私には勝つことはできない。っと随分と遅い到着だな】

 エヴァがエンシェント・ワンの見る方に目を向けるとフライの魔法でこちらに向かってくる葵の姿が見える。


To be continued.

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