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アカギ戦記  作者: 饅頭
二章【魔法学園バーミンガム】
87/130

白い鯨

 地面の巨影から現れた白い鯨は周囲の人々を通り抜けて空中のジェイソンに向かって突進する。

 だが今までの様に道行くすべての人が気づいていないのではなく、数人は驚き悲鳴を上げている。

 「この悪魔を視るには条件がある。儀式の最初の余波に充てられたもの、つまりアンダーワールドの学園内にいた者たち。そしてある一定以上の魔力を保有しているもの」

 鯨の角がジェイソンを貫く寸前でジェイソンは身をひるがえしてそれを避ける。

 「これは儀式の加護によるものだ。何人もこれを邪魔することは出来ない」

 鯨はその巨体に見合わない速さで旋回して再度ジェイソンへ攻撃を仕掛ける。

 「〈ホーミングスターレイン〉」

 自身の周囲を浮遊させて置いたエヴァの放った攻撃を飛ばす。

 攻撃は鯨にあたるがそれでも鯨は突進を止めない。

 「〈不屈であれ、不落であれ、鉄壁なれば、崩れること知らず〉」

 衝撃が空中を駆け巡る。

 鯨の鋭利な角の先端は、ジェイソンの顔面にぶつかる寸前で何かに阻まれて止まっている。

 「〈アンチプラネット〉」

 そう唱えてジェイソンが鯨の角へ触れると鯨は徐々に上空へと引き上げられていく。

 「クソ!〈フライ〉!」

 「ちょっ!エヴァ」

 エヴァは一気に飛び上がって鯨とジェイソンの間に入る。

 「葵。鯨に攻撃を」

 「無意味だ。鍵の無い者の攻撃は通じない」

 「なら貴様を倒すまで〈アイアンナックル〉」

 エヴァの右腕が魔力を帯びて淡く光る。

 「飛び道具じゃなかったら通じるだろ」 

 エヴァがジェイソンに拳を振りかざす。

 「〈加護あらん〉」

 拳が当たる寸前にジェイソンは聖言による防御を行使する。

 エヴァの拳をジェイソンは手のひらで受け止める。

 「無駄だ。私はこの時のために何年費やしてきたと思う。お前たち魔法使いに対する対応を考えてないとでも思っているのか?最も魔法に近いところにいた私に魔法は無意味だ」

 「そう。でもこのまま落ちな」

 フライを解除して全体重をジェイソンにかけ共に地面へと自由落下をしていく。

 「いや、私は落ちない」

 ジェイソンはエヴァの腕をつかんで空中で身をひねり、エヴァの上をとる。

 「君が下だ。〈アンチプラネット〉」

 エヴァとジェイソンが磁石の様に反発しジェイソンは空へと打ち上げられ、対してエヴァは地面へと加速する。

 「させない!」

 浮かび上がるジェイソンの前に葵が飛び出す。

 「君の実力ではこのステージは厳しいと思うよ」

 「それはどうですかね〈無限乱射むげんらんしゃ〉」

 葵が矢を射ると放たれた矢は無数に枝分かれしていき、雨の如くジェイソンへと迫りゆく。

 「無駄だと言っただろう?〈プラネットアトミック〉」

 ジェイソンが魔法を唱えると体のいたるところに亀裂が入り、その亀裂より青白い光が漏れ球状にオーラが放出される。

 ジェイソンから放出されたオーラに葵の矢が触れた瞬間にそれらは消えてなくなる。

 オーラは鼓動の様に一定の感覚で波を打ち一定の大きさに達すると消える。

 そこへ白い鯨が勢いよく突進をする。

 葵は上空から迫りくる白い鯨に驚き横へ飛び退く。

 白い鯨はその巨大な口をかっぴろげてジェイソンを丸呑みにする。

 そして地上へとそのまま急降下していく。

 地上ではエヴァがロッドを構えている。

 だがジェイソンの言った通り白い鯨はエヴァをすり抜けて自身の影へと潜っていった。

 すると今度は上空に黒鯨が姿を現した。


To be continued.

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