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アカギ戦記  作者: 饅頭
二章【魔法学園バーミンガム】
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黒鯨

 大空に現れた黒鯨こくげいは、つい先刻見た子供と同じ真っ黒な目をもっていた。

 そう、悪魔の目だ。

 「二体の悪魔!」

 「え?なに?」

 「あ、いえ。昨夜ジェイソン元司祭が儀式のときに空を飛びながらそんなことを叫んでいたの」

 「成程。ロンドンとバーミンガムに現れた黒鯨と子供。それぞれが悪魔の目。儀式の途中という事か。なぁ葵。これはどう思う?私は悪魔をどうにかすればジェイソンをとらえなくても儀式を終わらせられる気がするけど」

 「でもこの巨体をどうするの?」

 「そうね。ここでアレをやっても・・・。いやそれは早まりすぎか、ん?」

 姿を完全に現したように思えた黒鯨は徐々に薄れだしていく。

 「あら?私は眼中にないという感じね。癪に障るにもほどがある」

 エヴァは現れた黒鯨へと急接近してその上へと降り立つ。

 そして黒鯨は完全に消える。

 「成程。確かにここにはいる。〈テラフレア〉〈テラストーム〉」

 「さて、葵!」

 「なに?」

 「私に向かって、正確には私のロッドに向かって矢を放てる?」

 「え?わかった」

 左手で人差し指と中指を合わせてぴんと伸ばし、指鉄砲の形を作りエヴァへと向ける。

 そこへ右手を添えると葵の左手に存在しない弓の重量が乗るをの感じる。

 透明な矢を右手の三本の指で捕まえてゆっくりと絞る。

 すると魔力の弓矢は実態をなす。

 「〈追従之一射ついじゅうのいっしゃ〉」

 放たれた矢はまっすぐにエヴァに向かって飛んでいく。

 「〈アブソ―ブマジック〉」

 葵の放った一射はエヴァのロッドへと吸収されていった。

 「それじゃあくたばるといい」

 エヴァは足元に向けてロッドを構える。

 「〈ネガキャノン〉」

 ロッドの先端より深紅の光線が放出される。

 【グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・】

 再度黒鯨がその姿をあらわにする。

 「攻撃が当たれば現れる。だが、全く持ってダメージが入っている感じがないだけど。それより何故これだけの巨体を前に英国人は反応しない?何かからくりがあるってことか」

 「エヴァ。どうする?」

 エヴァは少し考えて、黒鯨から飛び降りて葵の横へと降り立つ。

 「これだけの雄たけびを聞いて地上の人がパニックになってない。どう思う?」

 「確かに。もしかして聞こえてないとか?」

 「まさか!?ありえないでしょ」

 「じゃあ違和感だと思ってないとか?」

 「そんなことがあり得る?」

 「あり得るのだよ。諸君」

 二人の会話を背後から何者かが割って入ってくる。

 エヴァと葵が振り返るとそこに立っていたのは。

 「ジェイソン・オールドマン司祭・・・!」

 「アイツがね」

 「やぁ昨日ぶりだね」


To be continued.

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