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アカギ戦記  作者: 饅頭
二章【魔法学園バーミンガム】
84/130

トランス

 「確かに目が真っ黒だね。それに角。というかなんでそんな子供捕まえてるの?」

 『私とそこの胸にだけ栄養を取られた女がPSAのイタリア本拠地に到着した時にはすでに捕獲されていましたので。昨夜の儀式の影響下何なのか。現状はこの子供は全く動かないのでどうすることもできず。なので葵さんにいったん来てもらって始祖を呼んでもらおうかと思っているのですが』

 「あぁヤクモのことね。すぐに生きたいところなんだけど。こっちもちょと上空に何かいるみたいで向かえそうにないんだ」

 『そうなんですね。わかりました。とりあえずそっちの要件が済み次第向かってきてもらえると助かります』

 「わかったよ。それじゃあまた後で」

 『はい。後ほど。ちょ!永遠の眠りにつきたいんですか?』

 ツー・・・。

 電話を切る直後に何やら物騒な発言が聞こえたのは気のせいであろう。

 葵はスマホをしまって再度空を見る。

 やはりそこにはなにもいない。

 「これなら手っ取り早く虚空に攻撃飛ばした方が早いわね」

 「いやこんな人通りが多いところで魔法を使うのはまずいって」

 「それは一理あるわね。じゃあ少し移動しましょうか」

 二人は物影に移動して〈フライ〉の魔法で一気に浮かぶ上がりBULLRINGと書かれている建物の屋上へと降り立った。

 「さてここなら問題ないでしょ」

 「でもどうするの?あんまり派手なのは目立ちすぎると思うんだけど」

 「要は見えなければいいんでしょ?簡単なこと。〈トランスマギア〉」

 エヴァが呪文を唱えた途端、エヴァの服のいたるところから銀色の粒子が湧き出てくる。

 「金属片?」

 「これは言うならば特殊合金、形状記憶ナノマシンとでも思ってくれて構わないわ。ほら某有名なアメコミヒーローみたいな感じ」

 「でもその見た目はどっちかっていうとヒーローっていうより魔法少女って感じじゃない?」

 「アイアンフリルの魔法少女とでも思ってくれて構わないわ。見た目はドレスだけど、その強度はこの世で最も固い金属でできている。そして〈トランスロッド〉」

 これまた出現したのは衣装にとても似合うロッド。

 いわゆるニチアサ系魔法少女がよく所持していそうな魔法の杖である。

 「またザって感じの武器だね」

 「まぁみてるといいさ。〈ノナプルエアカッター〉」

 エヴァが戦闘魔法を唱え発動した魔法は全て杖の先端の宝玉へと吸収されていく。

 「魔法を吸収した?」

 「正確にはストックしたというだけ。そして〈ハイイグニッション〉」

 「身体能力向上魔法?」

 「言ったでしょうストックするって。つまりストックしたのを放つ時に体が絶えれるようにね〈フライ〉」

 エヴァはふわりと空へと飛びあがる。

 エヴァはものの数秒で視認できない程に空へと舞い上がりその場にとどまる。

 「かなり上まで来たけど。こんだけ来ても影の本体はわからず。これより空にいるのか下にいるのか。〈ノナプルフレア〉〈ノナプルドリルランス〉〈ノナプルアクアバレット〉」

 続けざまにエヴァは火玉魔法、土槍魔法、水弾魔法を発動させる。それらの魔法は先ほど同様にロッドへとストックされていく。

 「〈スクランブルマジック〉」

 ロッドの先端に魔法陣が浮かび上がって高速で回転する。

 「〈スクランブルキャノン〉」

 属性の異なる四つの魔法はエヴァのロッドによって一つの魔法へと変質し解き放たれる。

 ロッドより射出された七色の光線は不規則な軌道をたどって何かに直撃する。

 【オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン・・・】

 それは京都で聞いた厄災の声色に近しい叫びであった。

 保護色が落ちていき何もなかった大空に徐々にそれは浮かび上がる。

 「黒い・・・鯨・・・?」

 そこに現れたのは漆黒に染まる巨大な鯨であった。


To be continued.

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