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アカギ戦記  作者: 饅頭
二章【魔法学園バーミンガム】
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謎の影、悪魔の目

 イタリアにはオーバーワールドとアンダーワールドを行き来するための出入り口が三か所存在する。

 一つは葵とエレンが学園へと向かう際に乗った電車。

 その路線の途中で二つの世界の境を越える。

 二つ目は聖典教会が保有する学園内の教会。

 使用するには守門ポーターの許可が必要になる。

 三つめは学園が管理する出入り口であり年に二度しか使われない場所である。

 今回は緊急時ということでレイ教授の特権によりPSA関係者と本件の同行者は通行を許可されている。

 尚本件によって現在は聖典教会の保有する二つ目の出入り口はグレアによって通行禁止となっている。

 

 葵とエヴァは学園の出入り口を通過してバーミンガムのグランドセントラルへと来ていた。

 「とりあえず異変がないか周辺をみてまわりましょう」

 「それがいいんじゃない?というか学園外で敬語は不要。学園の外では互いに対等。それでいいよね」

 「あ、はい、じゃなくて、わかった」

 「あと異変ってもうあれじゃない?」

 エヴァがそう言って地面を指さす。

 葵が下を見るが特に違和感はない。

 「?」

 思わず首をかしげるとエヴァが少しあきれたため息をこぼす。

 「だから空はこんなに改正なのに私たちの影がない。というか日差しを遮るものがないのに何か巨大な影で覆われている」

 「あっ」

 エヴァの言った通り空は快晴。だがセントラルの通りは全てが日陰。

 よくよく周囲をみるとその影はゆっくりと動いているのがわかる。

 「まるで巨大な生き物が上空にでもいるみたい」

 「えーっと・・・。ところで何と呼べばいい?」

 「葵で大丈夫」

 「なら葵。私のことはエヴァでいい。それでこの影、実体が必ずあるはず」

 「実体。なるほど」

 空を見上げるがそこには何もいない。だがその地面を這う影がそこに何かいるといっている。

 「下からは視認できないとか?」

 「さぁ。どうだろうね。ただここで指をくわえてみてても何も始まらないし。そういえば他の連中はどうしているのさ」

 「あーそうだ。連絡取ろうと思ってたんだった」

 葵がスマホを取り出してエレンに電話を掛けるとワンコールでエレンが電話に出る。

 『Hey!アオイ元気になった?てかアオイもロンドンに来てよ。実はさロンドンでね変な子供を捕まえてるの。是非見てほしくってさ。ってちょ、何よこのぺちゃぱい!や、やめろー!』

 恒例のマシンガントークの後になにやら電話の向こうで何かがあったようだ。

 『こんにちは葵さん。カーラです』

 どうやらエレンでは話が進まないと思ったカーラが電話を奪い取ったようだ。

 そしてなにやら声に圧を感じるが気にしてはいけない。

 「あ、もしもしカーラ。今ね私はエヴァと一緒に行動してて」

 『やはり胸が豊かな方が・・・。あ、いえ。そうなんですね。ところで今はどちらに?』

 「今はバーミンガムのグランドセントラルにいるよ。それで変な子供って?」

 『いやそれがですね。額に二本の黒い角が生えててですね。瞳孔と角膜、虹彩の全ての境がわからない程に真黒い瞳で。いうならば深淵。暗黒とでもいうのですかね。教会における文献においてそれは悪魔の目とされます』

 「悪魔の目?」

 『はい。写真を送るので確認してください』

 葵は通話をスピーカーに切り替えてSNSでカーラから送られた写真を見る。

 そこには確かに変な子供が写っていた。


To be continued.

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