星を穿つ一射
ロゼは一気に空へと舞い上がり宇宙より迫りくる脅威を睨む。
「〈ウェイトオペレーション・ライト〉これで星の重量を削りましたわ。更に〈タイムオペレーション・ディセラレート〉」
ロゼの固有魔法により星の落下速度が一気に低下する。
「これですぐにはおちませんわ。皆さん頼みます!」
ロゼが地上の四人へと叫ぶ。
「作戦の第一段階はクリアってことだな。彼女の魔力が尽きる前に削り切るぞ」
「一気に核を貫けるほどの火力があればいいのですがね」
「私の能力が使えれば、せめて今だけでも・・・」
葵は願う。ただ一回だけでもと。
「え?アオイ。あんたの手光ってるよ」
「あ、これなら」
エレンに言われて手をみると先月の時ほどにはいかないものの、使えなくなってたはずの力が使えるようになっていた。
「それが葵さんの固有能力なんですね」
「うん。でもヤクモは無理そう・・・」
「それは、撃てるのか?」
グレアの問いかけに葵はうなずきそして構える。
魔法の弓の弦を引き、魔法の矢を生成する。
「全力で出し惜しみなく、放つ!」
葵は目をつむり、厄災へ放ったあの一撃の感覚を思い出す。
放った瞬間の左の手しびれるような感覚、右手から矢が放たれる感覚。
ソラより落ちてくる星の中心を、核を感覚でとらえる。
「〈神撃之一射〉」
空へと駆け上がる竜の如く。
放たれた矢は黄金の軌跡を残し、超速で星へと向かう。
「〈マジックオペレーション・ハイ〉〈タイムオペレーション・アクセラレート〉」
放たれた一射にロゼは魔法威力強化と加速の魔法を付与する。
葵の放った一撃は星の核を完全に粉砕する。
「すごいよアオイ!」
「う、うん。でもまだこんなん、じゃ・・・・・」
自身の残存魔力を一気に使い切った為に葵の意識は薄れ、そして切れる。
To be continued.




