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アカギ戦記  作者: 饅頭
二章【魔法学園バーミンガム】
79/130

プラネットコア

 「いでよ二体の悪魔よ」

 瓦礫の中より飛び出したそれぞれの箱から黒い光の柱が天まで伸びる。

 学園中の空間がゆがみ、赤い霧が徐々に学園中を覆いだす。

 そして学園の校舎や寮などの建物に被るように別の建物がうっすらと浮かび上がる。

 「オーバーワールドとアンダーワールドが重なり合ったな」

 ヴィレッチ国立魔法大学院が存在するのはイギリス、バーミンガムのセントフィリップス校が点在する位置に重なるアンダーワールドにある。

 つまるところ学園に重なるようにして浮かび上がった町並みは表側の世界、オーバーワールドの都市が重なっているということになる。

 

 「わが友よ。あと少しで君の願いは成就する」

 クリスチャンが両手をお菊広げてジェイソンを見上げる。

 「夢だか、願いだか知らないけど・・・。これ以上は好きにさせない!」

 「お前ごときの魔法は通用しない。無駄なことはやめて遺言でも考えておけ」

 「それは魔法だけを吸収するのですね。なら〈我が前に、屈服せよ〉!」

 「〈強靭なる精神〉」

 カーラの聖言をすぐにクリスチャンは無効化する。

 「流石は今期の首席。よく言霊が練られてる。だが無意味だ。院生と司祭にはそれほどまでに差があるのだよ」

 「てかエレンが静かなんだけど死んでないよね」

 「えぇ。十字架が体を貫いている限り何もできないです。幸いこれを維持するのにリソースを裂いてくれているからこそ私たちが生きていると考えるべきでしょうか」

 「全く、ジェイソンのいう通りだ。殺すのが惜しいな」

 「ならさっさと投降しろ」

 葵たちが十て来た通路の方から声がると同時に十字架が回転しながらクリスチャンを襲う。

 「〈加護あらん〉!」

 咄嗟にクリスチャンが防衛の聖言を発動させ致命傷を免れる。

 「厄介なのが来たな。枢機卿、グレア・オルカ・・・!」

 「厄介とは言ってくれるなクリスチャン・ベール司祭。いやこの時点をもって貴様から司祭の称号を剥奪だ。貴様と共犯者としてジェイソン・オールドマンを連行する」

 「やれるものならやってみろ」

 「そうか」

 グレアは一瞬でクリスチャンとの間合いを詰めて胸ぐらをつかみ上げる。

 そして軽々と片手で背負い投げの様に担ぎ上げて地面に叩きつける。

 一撃でクリスチャンは意識を飛ばす。

 クリスチャンが気を失ったことでエレンを貫いていた十字架が消え去る。

 「やっと喋れる!」

 「これならずっと貫かれていた方がよかったわね」

 「あ?」

 「喧嘩なら後にしろ。今はあの飛んでる野郎を叩き落す」

 グレアは両者を静止し十字架を持ち上げる。

 「落ちろ」

 ほぼノーモーションで投げられた十字架はものすごい速さでジェイソンに迫る!

 「〈クラフトハイジーン〉」

 十字架はジェイソンにぶつかる寸前に軌道を変えてジェイソンの周囲を旋回しだす。

 「そういえば私の固有能力は教会に登録してなかったから知らなかっただろう。プラネットコア、それが私の能力。つまるところ私には投げ物は通用しない」

 「っち、厄介だな。お前たち。同時に攻撃だ」

 「「「はい」」」

 「〈フレア〉」

 葵が真っ先に火の玉を放つ。

 「〈ドリルランス〉」

 エレンが続けるように魔法で編み出された石の弾丸を放つ。

 「〈聖なる光〉」

 エレンとほぼ同時にカーラも光の弾を指先より放つ。

 それぞれの攻撃はまっすぐとジェイソンへと向かう。

 「無意味だ。〈クラフトハイジーン〉」

 それぞれの攻撃はジェイソンには当たることなく十字架と同様に周囲を旋回する。

 まるでジェイソンを軸にした衛星の様にそれぞれは同じ軌道を旋回する。

 「〈フラッシュ〉!」

 突然ジェイソンの眼前がまばゆい光に包まれる。

 「落ちなさい!〈ノナプルフレア〉」

 ジェイソンより更に上空より七つの火球が降り注ぐ。

 「ロゼ・ローズだね〈クラフトハイジーン〉」

 視界が完全に回復していない中でジェイソンは再度能力を使って飛んできたすべての火球も同様に自身の周囲を旋回させる。

 「君のことは君の入学時から警戒していた。優秀だからね」

 「それはありがたいことですわ。ではこれ以上無駄な抵抗はやめて大人しくお縄になりなさい」

 「いいや断る。そしてあと数秒で私はここから消える」

 「あと数秒で私たちから逃げおおせると思ってまして?」

 「無論思っているよ。そして君たちがくれたこれらを返却しよう〈ホーミングスターレイン〉」

 ジェイソンの周囲を旋回していた魔法や十字架は放った者の元へ帰っていく。

 七つの火球はロゼに向かい、十字架はグレアへと、そして葵たちの放った魔法も同様に。

 

To be continued.

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