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アカギ戦記  作者: 饅頭
二章【魔法学園バーミンガム】
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地下の祭壇にて

 空洞へと三人は飛び降りるとそこは地下道のようだ。

 「〈ひかりよ、みちらせ〉」

 カーラの聖言で暗い洞窟を照らしながら前へと進む。

 「これって学校の中心に続いてない?」

 「サルもそう思うのです?」 

 「っち」

 こんな状況でも相変わらずの二人。

 だが言い合いを続けない当たりは状況をわきまえていると考えようと葵は思う。

 「学校の中心ってことは爆破のあったとこ」

 「アオイが能力の鑑定?を受けたとこだよね」

 「でもなんでそこへと続くのでしょうか」

 疑問は多いが前へと進む。

 5分ほど歩いたところで行き止まりになる。

 「なんもない?」

 「いえ、そんなことはないと思うのですが」

 「え?」

 エレンが壁に手を伸ばすとその手が貫通する。

 「これ壁じゃない。ホログラム的な奴だよ」

 そういってエレンは壁の向こうへと行く。

 すかさずカーラと葵が後に続くとそこは序列の確認を行った部屋に通じていた。

 部屋の中心には葵が触れた水晶と男が二人。

 壁にかけられた松明の明かりが二人の男の顔を照らしている。

 ジェイソン・オールドマン司祭とクリスチャン・ベール司祭。

 葵はどこか心の奥でジェイソン司祭に限ってそんなことはないと思っていた。

 だが恐らく二人はグルで二人で爆破事件を起こしたのだろう。

 「おや、誰か来たと思ったら葵君ではないか」

 「っち。だから入り口を崩せと言ったのだ」

 「まぁいいじゃないか。えっと、葵君にカーラ君。そして君は知らない子だね」

 「おい!時期に時間だ。悠長に会話している暇はない。俺が消す」

 クリスチャンはゆっくりと歩いて三人との距離を詰める。

 「何も知らず、何も見なかった。だから帰してくれと言えば昏睡状態程度にはしてやる」

 「舐めんなよ」

 エレンが食って掛かる。

 「そうか。なら死ね〈十字架じゅうじかよ、まえものに、鉄槌てっついを〉」

 エレンの頭上に突如として巨大な光の十字架が出現する。

 「よけて!」

 カーラが叫んだが一泊間に合わずエレンの体を十字架が貫く。

 「か、体が動かせない」

 「え?痛くないの?」

 「貼り付けの奇跡。術者が一定距離離れないと解除されません」

 「勉強熱心な院生なこった」

 「おい、クリスチャン。時間まであと5分とない、どうせもう止められはしないさ」

 ジェイソンは自身のかけているサングラスに手を伸ばす。

 「よせ!魔力を無駄に使うな」

 クリスチャンが慌てて静止する。

 「そうだな。止められはしないとは言ったが、確実に何もできなくしてしまいたくてね」

 ジェイソンは手をおろして懐から木箱を取り出す。

 「魔眼ですね」

 カーラがそういうとジェイソンは少し笑う。

 「そのサングラス。魔眼封じの眼鏡ですね」

 「全くカーラ院生は流石博識だな。故にこの学園との交流生徒として選ばれたのだが、そうだ。私の右目には魔眼がある。それを抑える為にこのサングラスをかけている。他者の魔眼も防げるからね」

 「どうして。どうして学園を爆破したんですか」

 葵が少しでもグレア枢機卿の到着時間を稼ぐために質問する。

 「どうして・・・か。そうだね、それは私の夢のためだよ」

 「夢・・・!?」

 「そうだ。私の人生をかけての夢。いや目的かな。どちらにせよ、ここにたどりつくのに30年は費やしただろうか。それをこんなところで私の半分しか生きていないような小娘どもに止められる筋合いはない」

 ジェイソンが木箱を開けると中から錆びれた鏃が出てきた。

 「「進化の鏃・・・!」」

 葵とエレンがはもる。

 「知っているということはやはり大司教レベル、いやそれ以上の教会の人間が来ているね」

 「それ以上はやらせません!〈退け〉!」

 カーラが光の弾を放つ!

 「〈加護あらん〉」

 すかさずクリスチャンが光の防御壁を展開してそれを防ぐ。

 「〈フレア〉!」

 反撃が来る前に葵が火の玉を放つ。

 クリスチャンは懐から手鏡を取りだして飛んでくる火の玉に対して掲げる。

 すると火の玉は鏡の中に吸い込まれてしまう。

 「こいつは吸魔きゅうまかがみ。魔力量B以下の人間の魔法的攻撃を吸収するアーティスト。魔法をつかう連中の本拠地に行くなら有象無象の対策はするもんだ」

 「クリスチャン。時間だ」

 ジェイソンは進化の鏃を高々と掲げる。


To be continued.

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