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アカギ戦記  作者: 饅頭
二章【魔法学園バーミンガム】
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もう一人の司祭

 昼食を終えて葵は一人教会へと足を運んだ。

 理由は特にないが何故かそこへと気が付いたらついていた。

 中に入るとそこにはジェイソン・オールドマン司祭ともう一人の司祭がいた。

 葵に気が付いたジェイソンは眼鏡をかけなおして会釈をする。

 それに続くようにもう一人の司祭も会釈する。

 葵が近づき挨拶をするとジェイソン司祭が隣の司祭を紹介してくれる。

 「やぁ久しぶりだね。赤城葵くん。こちらの司祭は私の友人でね。クリスチャン・ベール司祭だ」

 「初めまして。クリスチャン・ベール司祭です」

 ジェイソンの毛量に比べこちらはスッキリしたスキンヘッドだった。

 「初めまして。赤城葵です」

 葵はクリスチャンと軽く握手を交わす。

 「っともう昼過ぎか、ではジェイソン。また後で」

 「あぁ後でな」

 クリスチャン司祭は葵にお辞儀をし教会の外へと行く。

 「葵くん。折角来てくれたんだ。どうだ聖言を覚えてみるなんて?」

 「聖言ですか?」

 「神に祈りその力の一端をお借りし邪の者を正す力だ。良かったらこれを上げよう」

 そういってジェイソン司祭は葵に一枚の紙を手渡す。

 その紙は使い古され色あせていて二つの言葉だけが書かれていた。

 ”健やかなれ”

 ”加護あらん”

 「これは?」

 「それは知らない世界を生きていくときに最も助けられた二つの言葉だ。それらは神に祈り唱えることで力を発揮する。君の人生の旅路に必要になるかもしれない。とっておきなさい」

 「はい。ありがとうございます」

 「礼には及ばない、人のめぐりあわせとは運命なのだから。こうして私が君にそれを渡したのも運命だ。そうだ。君の同期に聖典教会の院生がいるだろ?」

 「カーラさんですね」

 「そうだ。彼女は若くして両親を失っている。是非仲良くしてやってくれ」

 「カーラにそんなことが」

 「そう見えないくらい元気だろう?彼女は自身の境遇を決して不幸だなんて思ってない。前を向きただひたすらに自分の信じる道を歩む。それはとても美しいことだ。私はね、時に立ち止まってもいいとは思う。だが絶対に歩みを辞めることだけはしてはいけない。今が人生の谷底ならばあとは上に昇る以外はないのだから」

 「・・・。なんか少し気が楽になった気がします」

 「それは何より」

 「また来ますね」

 「あぁ。また来るといい。時間のあるうちに」

 

To be continued.

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