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アカギ戦記  作者: 饅頭
二章【魔法学園バーミンガム】
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休日

 図書館を出ると丁度エレンと鉢合わせた。

 「いた!」

 葵を見つけるなりエレンは足早に近づいてくる。

 「アオイ!探したのよ!なに?図書館で調べもの?」

 「うん。ちょっとね」

 「ふーん。あ、そうだ。ちょっと売店に行かない?授業のレポート纏めているときに口が寂しくならないようにお菓子を買っていきたいの」

 「うん。いいよ」

 特に断る理由もなかったのでその日はエレンにつきあって売店に行きその後寮の部屋へと戻る。

 寮の部屋は二人部屋でエレンとルームシェア状態になっている。

 

 翌日も必修の授業を受けて任意で履修できる授業を受ける。

 葵が選んだ任意履修の授業はルーン文字。

 単位などは一学年のうちは必修だけ受けていれば足りるそうだが、任意で履修しておくと余分にとった単位を二学年時に合算できるらしい。

 エレンとカーラも一緒になってルーン文字を履修しており金魚の糞のようにくっついてくる。

 まぁ学園生活を一人寂しく送るよりかは二人の言い争いを聞いている方が色々と気が紛れて楽だったので葵的にはよかったと思う。

 

 そして8日の土曜日。

 学園は土日の授業は基本的に休みのため特にクラブなどに入籍していなかったら一日暇になるというわけだ。

 さてこの休みをどう使おうか考えているとふと教会のことを思い出す。

 なので特にすることもなかった葵はエレンに一声かけて一人で教会へと足を運んだ。

 

 教会内はやはり静かでどこか居心地のいい感じがする。

 回りを見渡してみるとカーラが聖書を片手に前の方の長椅子に腰かけていたのが見える。

 先日あった色眼鏡の司祭の姿は見えなかった。

 「あれ?葵さん。こんなところで会うなんて、教会に何か御用時でも?」

 「こんにちはカーラ。特にやることがなかったので散歩がてら来たのよ」

 「そうだったんですね。あ、隣どうぞ」

 カーラに進められるがままに葵は隣に腰かける。

 「ところで葵さんは何故超常対策秘匿機関に入隊されたんですか?」

 「あぁ、そうだね。なんというか成り行きというところが多かったような気がするかな」

 「成り行きですか・・・。それって別にやりたかったわけじゃないんですよね」

 「まぁ、そうだね」

 「なら私と一緒に聖典教会に来ませんか?」

 「教会に?」

 「はい。無理にとは言いませんけど、一つの道として考えてください」

 「うん。ありがと、考えておくよ」

 「あの、話したくなかったらいいんですけど。葵さんは超常対策秘匿機関に入隊される前は何をしてたんですか?」

 「入隊前は、公安警察に属してたんだけど・・・」

 「それって日本の諜報員ってことですよね」

 「まぁ、そんなところだね」

 「そんなすごいところなんで辞めちゃったんですか?」

 「色々あってね。公安を辞めようとしたんだ。そしたら代わりに超常対策秘匿機関に配属された」

 「あ、ごめんなさい。あんまり話したくない内容を聞こうとして」

 「気にしないで」

 「でも、葵さん。辛かったら誰かに話して心を軽くしてくださいね」

 「うん、ありがと」

 「あ、そろそろお昼の時間ですね。一緒に行きましょ」

 「いいよ」


To be continued.

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