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アカギ戦記  作者: 饅頭
二章【魔法学園バーミンガム】
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学園図書館

 教会をでた葵が図書館に向かっていると曲がり角で飛び出してきた学生と衝突してしまった。

 「すいません。前をちゃんと見ていなかったもので。大丈夫ですか?」

 葵が声をかけて手を伸ばした女学生の頭には獣のような耳。そして尾てい骨の辺りからこれまた獣のような尻尾。

 「うぅ。すいません。私も急いでて」

 女学生は葵の手を取って立ち上がる。

 「ケガとかはしてませんか?」

 「はい。大丈夫です!あ、授業の時間が、えっと私一学年のルー・レイナっていいます」

 「私は赤城葵。気を付けてね」

 「はい!すいませんでしたー!」

 ルーと名乗った女学生は犬のようにターっと走り去っていった。

 「獣人族だっけ」

 葵がイギリスに飛び立つ前の20日間。

 PSAの日本拠点で様々なことを学んでいた。

 その中で亜人というものについて学んだ。

 この世界には人類と亜人がいる。

 神代の時代には違和感なく存在していたらしいが時代と共にその存在そのものがなくなっていき、一般の人たちはそんなものはアニメやゲームの世界の者だと思っている。

 だが実際に吸血鬼はいるし葵の今目の前を走り去った女の子は獣人だった。

 最初こそ違和感もあったがPSAの拠点内にもちらほらと獣っ子がいたのだから、まぁいるのだろう。

 ではなぜこんなに亜人が衰退したのかヤクモに聞いてみた。

 それは魂の保有量だそうだ。

 この世界に存在できる魂の数が決まっていて人間が増えれば他の種族が絶滅する。

 亜人たちの多くはこの現世とピッタリくっつく世界、アンダーワールドというところで生活をしているそうで、そこへ行けばいくらでも亜人と触れ合えるそうだ。

 

 そんなこんな考え事をしながら歩いて葵は当初の目的である学園の図書館にたどり着いた。

 この図書館は魔術協会の保有する図書館で二番目に大きいとされており、最大はドイツにある大図書館だという。

 といっても頼めば取り寄せてもらえる本もあるらしい。

 葵は学生証を提示して館内に入り受付カウンターへと足を運ぶ。

 「こんにちは」

 葵が声をかけると受付の女性教員がすぐにやってくる。

 「こんにちは。ようこそ学園図書館へ。なにか御用かしら?」

 「はい、探してほしいものがありまして」

 「どういったもの?」

 「固有能力に関する本っておいてありますかね?」

 「勿論置いてあるは、想像もつかないほど大量にね」

 「神撃之矢についてなんですが」

 「神撃之矢ね。えーっと」

 タブレットをいじりいろいろ調べている女性教員の顔色が徐々に悪くなっていく。

 「っすー。困ったわね」

 「どうかしたんですか?なかったとか?」

 「いえ、あるにはあったんだけど。ごめんなさい閲覧禁止よ」

 「え?」

 「少し学生証を貸してくれない」

 「いいですけど・・・」

 「ありがとう。学生証はね様々な個人データが入っていてねこれを魔法陣で読み取れば・・・・」

 「どうですか?」

 「やっぱりだめね」

 「わかりました。ありがとうございました」

 「ごめんなさいね力になれなくて」

 「いえ」

 葵は学生証を受け取って図書館を後にした。


To be continued.

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