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アカギ戦記  作者: 饅頭
一章【京都百鬼夜行】
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アイスエイジワールド

 葵より放たれたのそ一射は地上を滑る流星の如く、七色の輝きを放ちインフィニティめがけて一直線に放たれる。

 今ここでインフィニティがそれに気づき巨人を差し向けたら詰み。

 今ここでインフィニティがそれに気づきその矢の軌道からずれたら詰み。

 その不安が葵の頭をよぎる。

 だがもう放たれてしまった。

 もうサイは投げられた。

 葵が矢を放ったのを目視で氷室が誰よりも早く確認すると自身の切り札を切る。

 「〈アイスエイジワールド〉」

 その瞬間、世界は凍結する。

 ただ二人を覗いて。

 術者である氷室亜里沙。そして氷室が降れいている祁答院杏良太を覗いたこの世界のありとあらゆる事象が静止する。

 それは時を止めるような所業。

 「〈虚光の星〉」

 氷室がアイスエイジワールドを発動するとほぼ同時か、あるいはそれ以上に早くか。既に祁答院は自身の全身全霊の一撃を放つ準備をしていた。

 先刻放った虚光の星より巨大に。

 この一撃で絶対に仕留める為に一切の出し惜しみもなく全力で。

 自身のもつ絶対防御である粛清領域の空間を解除して全ての魔力をこの一撃に。

 祁答院の技の射線、葵の矢の射線。

 それぞれに巨人はいない。

 絶対に本体であるインフィニティに直撃するコース。

 インフィニティはこの静止した時間についてはこれない。

 「あと7秒!」

 氷室が叫ぶ。

 それは氷室の技の時間制限。

 一日に一度10秒だけ。

 誰もがこの一度きりに全てを掛けている。

 八千代の5秒がつくったこの瞬間。

 祁答院の手の上で構築された黒く光る球体は先ほどの八千代の九尾が放った火球より大きくその直径は約20メートルといったところだろう。

 「あと4秒」

 「もう少し。確実にやり切るために」

 「あと3秒」

 「まだだ」

 「あと2秒」

 「喰らえ!」

 「あと1秒」

 直径30メートルほどの黒く光る全てを消滅させる球体は、人の歩みよりやや早い速度でインフィニティへ向かって放たれる。

 「その速度じゃ当たる前に巨人にやられる!」

 祁答院がそれを放った位置は佛教大学 紫野キャンパス。金閣寺まで近いといってもその速度では明らかに間に合わない。

 そしてアイスエイジワールドは解除されていく。

 金閣寺上空の厄災に虚光の星がぶつかるまで後約700メートル。被弾迄の時間は約240秒。

 「そのためにわずかに魔力は残した」

 世界の凍結が解除されて全ての事象が動き出す。

 虚光の星到達迄後230秒


To be continued.

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