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アカギ戦記  作者: 饅頭
一章【京都百鬼夜行】
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神撃之一射

 東寺の上で葵は祁答院と作戦の最後の確認をしていた。

 「よし、最後の確認だ葵」

 「はい!」

 「まず八千代が金閣寺上空の厄災に一気に接近して全力の一撃を喰らわせようとする」

 「だけどそれはブラフ」

 「その隙にノーマークの葵が矢を放つ準備をする」

 「八千代さんの一撃と共に私がここから矢を放つ」

 「矢を放ったのを合図に氷室が切り札を使う。切り札発動後に俺が全力の一撃を放つ」

 「それで、倒せますかね」

 「倒せるかじゃない。倒すんだ。倒すことさえできればアナザーアースの修正力である程度誤魔化しは聞く。つまりここをしくじれば最悪今日が世界の終わりになるな」

 「それは、最悪ですね」

 「もっとも、ありがたいのがこの夜の結界を京都に張り巡らせてる蘆屋の式神が今もなお健在で結界を張り続けていることだ。この結界が崩壊したらいよいよ巨人が日本中に飛び立っていく。さて、八千代が準備できたようだ。気張っていけよ。〈飛翔の舞〉」

 祁答院は最後にサムズアップをして一気にその場から消え去る。

 「まだ神撃之矢はよくわからないけど。この力を射貫くイメージは出来ている。ふぅ。大丈夫。覚悟はした。あの時とは違う」

 葵の脳裏によぎる過去の事件。首を横に振りそれを頭の隅に追いやり、自身の左腕に意識を集中させる。

 まるで見えない弓をもっている感覚が葵の左腕にはある。

 「見えないけど、感じる。そこに重さがある。元々あったように違和感なく扱える。勝負は一度きり、失敗は敗北」

 葵が透明な弓を引く動作をとるとそこには魔力の弓矢が出現する。

 更にグッと矢を引き狙いを定める。

 実際の弓を引くような重さはなくいつまででも引いていられるような感覚。

 幾度か深呼吸をして世界に自分だけしかいないと錯覚するほどに集中力を高めていく。

 「まだ・・・。まだ・・・。まだ・・・」

 金閣寺で突如巨大な九尾の狐が出現する。

 狐は迫りくる巨人を薙ぎ払いインフィニティとの距離を詰めていく。

 そしてその大きな口を開けると怪獣が光線を放つように九尾の口に光の粒子が集まっていく。

 直径15メートルはあるだろうか、口元に生み出した巨大な火球を咆哮だけで一気に放つ。

 「今!」

 九尾がそれを放ったと同時に葵は全身全霊の一撃を放つ。

 その神をも打ち砕く矢こそ。

 「〈神撃之一射しんげきのいっしゃ〉」

 

To be continued.

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