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アカギ戦記  作者: 饅頭
一章【京都百鬼夜行】
38/160

血槍

 「〈血槍〉!」

 ヤクモの持つ血刀は瞬時にその形態を変化させ2メートルほどの鋭利な槍へ変化する。

 そのまま宙で体をひねり投球する!

 槍は目にもとまらぬ速さで蘆屋の左腕を吹き飛ばした。

 「がぁっ!」

 再度蘆屋は地面に膝をつく。

 ヤクモはしてやったという顔をしてそのままその場から消滅する。

 「蘆屋。最後にでかいものをもらったな。残念だがそれを治してあげることはできない。全く持って残念だ。さて、まだ時間は2分と40秒ほどあるが、どうする?」

 蘆屋が重傷なのを愉悦だと言わんばかりの顔をする獄天使。

 「っち、これじゃあお前を呼んだのが割に合わない。上空のあれがみえるだろ?」

 「あぁ。厄災と人間が戦ってるな。頑張れ頑張れ」

 「獄天使。君はあの人間をつぶせ」

 「ふむ。断る。理由は至極単純、厄災を攻撃してほしくないのだろう?して蘆屋。お前の此度の呼び出しの対価はそのみすぼらしい左腕で清算しておいてやる。それではまたな」

 そう言い残し蘆屋の返答を聞くより早く、獄天使は地面に広がる黒泥の中へと飛び込んでいった。

 「はぁ、はぁ。まずいなこれは、だが目的は達せた。上々、とまではいかないが。離脱にはいいタイミングか。明智にこの傷はどうにかしてもらうしかないな。まずは止血、〈暗黒牢あんこくろう〉」

 蘆屋は自身の左腕のちぎれた部分に黒い繭を出現させる。

 「マナは減るがこれで止血は出来る。ヤクモ、次は私が勝つ」

 蘆屋は葵たちにとどめを刺すことなくその場から去っていった。


 「!・・・ぎ!・・・・・・赤城!」

 自身の名を呼ばれて葵が目を開けるとそこにいたのは柊司。

 葵はなんとか上体を起こして周囲を見渡す。

 ヤクモの姿は見えない。

 「赤城。状況を報告しろ」

 「はい。百鬼夜行開始予定時刻にて蘆屋恭介と接敵しました」

 「やはりな。それで?」

 「えっと、ヤクモを召喚し応戦しようとしましたが、触れたら死ぬ黒い泥を発生させられて。百鬼夜行の阻止に失敗。申し訳ありません」

 「いや、謝罪はいらない。この現状、誰に許しを請う?それよりも今必要なことをなすべきだ。それでヤクモの姿が見えないが?それに蘆屋恭介も」

 「それは、私にもわからなくて。覚えているのは4番の解放をしたとこまでで、そのまま気を失ってました」

 「そうか。ヤクモに直接聞きたいが、呼べるか?」 

 「うーん。いえ、できないです。なんていえばいいのかわからないんですけど。感覚的な?そんな感じでうまく説明ができないんですけど電話がつながらないっていうか、ただ漠然と召喚ができないということはわかってます」

 「まぁいい。それより気になることがあるんだが」

 「はい」

 「その左手はどうした?」

 「え?」

 葵が柊に言われるがままに自身の左手をみると手の甲には見覚えのない文様がうっすらと光るように刻まれていた。

 「なにこれ?」


To be continued.

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