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アカギ戦記  作者: 饅頭
一章【京都百鬼夜行】
33/130

孵化

 卵の周りを旋回していた巨人たちが一斉に祁答院に向かって飛んでくる。

 「さて、魔力を食うならそういう感じで倒せばいいんだろ?〈飛翔ひしょうまい〉」

 雷鳴の様な音が鳴り響き衝撃波が大地を揺らす。

 祁答院にむかってきた巨人たちを吹き飛ばし、卵の真上迄へ移動する。

 「魔力を内部に帯びているのか。なら内部で爆ぜさせるか」

 祁答院は卵の上でしゃがみその表面に手を触れる。

 「〈青き星〉」

 祁答院が技を使った瞬間大量の巨人の体が次々に爆ぜていった。

 「なるほど。自身のダメージを取り巻きに流せるのか」

 真上をみれば大穴からとめどなく巨人が現れる。

 「本体を破壊できなければ巨人は際限なく出現するか。こいつの羽化条件は、成程。巨人は親鳥、そして卵は雛。親に餌をもらうひな鳥というわけだな。無限に巨人が湧くのは隔離されている魂が輪廻へ戻らないからだな。先に穴をふさぐか」

 祁答院は立ち上がり右手を左の腰に添えまるで刀を抜刀するような姿勢をとる。

 「〈しろきつるぎ〉」

 見えない刀を抜刀すると白いオーラの斬撃が巨大な大穴向かって飛んでいく。

 放たれた斬撃は大穴を真っ二つに切り裂き更に京都全域に張られた夜の結界に亀裂を与える。

 不安定になった結界は少し明るみだす。

 大穴が切り裂かれるとそれに呼応するかの如く卵に巨大な亀裂が走る。

 「お?」

 祁答院の足元に一気に亀裂が走る。

 祁答院はすぐさまそこから飛び立ち空に浮遊する。

 卵が砕けそこより現れたのは10メートルの大きさの人型の女性。

 背中には3対の翼を生やしその体は透き通るように白く。

 神話に出てくる天使が来ているような服、キトンをその身にまとっている。

 開かれた瞳は赤く、その頭部には赤黒い天使の輪のようなものが浮遊する。

 「卵の大きさの割に中身は小さいな」

 巨人たちはその厄災の誕生を祝福するように女性の周囲を旋回する。

 まるで世界の終わりのように。

 【たりない】

 それは脳に響くような声。厄災から発せられる声。

 【私の名はインフィニティ。私の眠りを妨げりし者は汝であるな。人の子よ】

 インフィニティは祁答院を指さして首をかしげる。

 【汝は私に対して三度の不敬を払った。その罪、この地にいる全ての命をもって償ってもらうぞ】

 

To be continued.

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