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アカギ戦記  作者: 饅頭
一章【京都百鬼夜行】
31/160

厄災顕現

 空に現れた渦巻は徐々にその大きさを拡大していく。

 やがてそれは巨大な大穴へと化していった。

 

 「存外。楽しめたかな?まさか邪竜を倒すとはね。君のことを新たな式神にしてあげるよ」

 蘆屋は倒れた連を見下ろして語り掛ける。

 「まだ息があるかな?腕の龍はだんまりだし、まぁ大して聞ける話もないから殺すか」

 蘆屋が刀を振り上げる。

 「まって!」

 思わず葵は叫んだ。

 「何か用かな?足手まといさん。君はこの戦いで一番の足手まといなんだよ。だから君のいた場所に私は来た。だから君の目の前で百鬼夜行を開始した。そして空を見上げな。門が開かれた。空より厄災は来る」

 「なに、あれ」

 葵が蘆屋に言われるがままに空を見上げるとそこにはまるでこの都市全てを飲み込んでしまうと思わせるほどに巨大な大穴が開いていた。

 「厄災って?」

 「人類を滅ぼす獣、神と同等の力をもつ災害。それが厄災だマスター」

 開かれた大穴よりあふれんばかりに大量の白い巨人が出現する。

 巨人には巨大な翼が生えておりそれで自在に空を飛ぶ。

 巨人の群れは京都駅に集まった生き残りの人間たちとそれを襲おうとする妖怪や魔物の類に向かって進行する。

 大穴から大量にあふれる巨人の中心にはその巨人がアリに見えるほど巨大な卵が空に浮遊する。

 「ついに来たね。これで計画の第一段階は完遂された」

 「計画?」

 「そうだよ。私の、いや。私たちの計画さ」

 「私たち?貴方が主犯じゃないの?」

 「私が主犯?まぁこれを企てたのは私だ。好きなようにやれと言われているからね。もう話しても問題ないね。私の目的は達せられた。私たちの計画、それは我らが神の顕現」

 「神の顕現?」

 「究極なる1だ。神代がまた始まる。魔力の無いものは淘汰され強き者だけが生き残ればいい。さぁ無駄話はこのくらいにしようじゃないか」

 再度蘆屋は刀を大きく振り上げる。

 「・・・ッ!〈限定解除4番〉!」

 「ついに使ったな!」

 葵が術式を使用した瞬間。ヤクモの魔力が一気に膨れ上がる。

 その魔力の波にあてられた葵は急激なめまいに襲われて座り込む。

 「マスター。そこで待っていろ。すぐに終わらせる」

 ヤクモは屋上から飛び降りる。

 気絶している連を挟んで向き合う。

 「どこからでもかかってこい。吸血鬼」

 「人間風情があまりいきがるな。私に対して対等に口をきいていいのはマスターと私より強いものだけだ」

 「なら私は後者だな」

 「フハハハハハハハハハハハハハハ」

 「クフフフフフフフフフフフフフフ」

 「死ね!仏教徒!」

 「お前が死ね異端者!」

 「〈我求めるものなり。呼び声に応えその門をひらきたまえ。パラレルゲート〉!」

 「召喚魔法!?」

 ヤクモの発動した召喚魔法によってヤクモの手元に二丁のトミーガンが出現する。

 手に取るやすぐにその引き金を引き毎分800発。二丁で1600発の弾丸が蘆屋の体をハチの巣にする。

 だがその傷を黒いオーラが修繕していく。

 カチャカチャ。

 全弾撃ち尽くすと銃を手放す。手から離れた銃は空中で消滅する。

 「〈我求めるものなり〉」

 「芸がないな!」

 ヤクモの詠唱が終わる前に蘆屋は刀でヤクモの胴体を真っ二つに切り伏せる。

 「〈呼び声に応えその門を開きたまえ〉」

 「なに?」

 「〈パラレルゲート〉」

 次にヤクモが召喚したのは大太刀。

 大太刀をつかみ切られた胴体を瞬時に修復させる。

 そして勢いよく踏み込んで蘆屋に斬りかかる。

 カーンと二つの刀がぶつかり合いそのまま押し合いになる。だがヤクモの方がそもそもの地力が強い。

 蘆屋を数十メートル吹き飛ばす。

 ヤクモは連に近づき担ぎ上げると葵のいる屋上へとなげとばした。

 「これでおもいっきり暴れられるな。さぁ我がマスターを追い込んだ罪。貴様の死をもってあがなってもらうぞ」


To be continued

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