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アカギ戦記  作者: 饅頭
一章【京都百鬼夜行】
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虚光の星

 「何故、余の体に傷がつく?」

 京都の山の中。

 一体の式神が人類最強の男の前に倒れこむ。

 「やり方はいくらでもあるんだよ」

 「己。祁答院。だが時は満ちた」

 阿形吽形の頭上に渦巻いていた赤黒い光の輪が消滅する。

 式神吽仁の体が変質し細身の姿が一変。巨漢の姿へと変質する。

 「ここからは、我の番だ!」

 「今度は攻撃が確実に当たる側か。頭部の輪は片方が消滅しているときに発生するな。うん、実にちゃんとしている。種はわかった。ならやり方は出来ている。〈酔狂すいきょうなる世界せかい〉」

 途端に祁答院の周囲の空間はねじれ、ゆがみ。

 阿形吽形が踏み込んだとたん阿形吽形のイメージとは裏腹に飛び上がった。

 「我の体が軽い?」

 「違うぞ式神。これは俺の力」

 「なに?」

 「そして」

 地上から約30メートルほど阿形吽形が浮かび上がったあたりで祁答院は指を鳴らす。

 祁答院の発動した魔法が解除され勢いよく阿形吽形が落下する。

 「〈青き星〉」

 指先に発生させた光の球体を阿形吽形に放つ。

 球体が阿形吽形に直撃する瞬間、その体は細身の姿へと変貌する。

 そして球体が阿形吽形の体を通過した瞬間に再度巨漢の姿へと変貌した。

 「うまくカウンターをしたな」

 「死ぬがいい」

 「やり方は出来ているっていっただろう。〈虚光の星〉」

 黒く光り輝く球体が祁答院の手のひらの上で構築され阿形吽形へと放たれる。 

 黒い光は何人たりとも容赦なくことごとくを滅ぼす。

 「規模は絞った。チリすら残らないがな。俺の最初の攻撃を受けて大丈夫だったのは肉体ではなくエネルギーだったから。あぁもう消滅したか」

 祁答院はゆっくり空へと舞い上がる。

 「さて、おもったより時間をつかったな。状況はあまりよくないか。いや最悪だな。これは」

 夜へと染まった空の一点に小さな渦が発生していた。

 

To be continued.

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