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アカギ戦記  作者: 饅頭
一章【京都百鬼夜行】
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阿形吽形【2】

 京都の北側。

 場所にして灰屋の滝。

 滝の中から半壊した肉体を再生させながら阿形吽形が現れる。

 「ふーん。今の一撃でも再生するなんてとてつもない生命力だな。無尽蔵な魔力による回復が俺対策ってことかい?」

 「我、無敵。否定、魔力だけではない」

 「そうかい。だけど無駄だよ、君回復はすごくても防御がてんでだめだ。何より俺には攻撃が当たらない」

 「再度否定する。粛清領域対策が我の専売特許」

 「なるほどね。そう簡単にはいかないと」

 祁答院がしゃべり終わる前に阿形吽形は一気に祁答院に接近して、大ぶりの右ストレートを繰り出す。

 阿形吽形の拳は祁答院にぶつかる寸前で何かに阻まれたようにピタリと止まった。

 「だから、無駄だって」

 「無駄ではない」

 祁答院が気付いた時にはすでに遅く腹部に強烈な衝撃が走り思いっきり後ろに吹っ飛ぶ。

 「なんだ今のは。攻撃は確かに当たってない。だが殴られた?いや違うな」

 「言っただろう。我は貴様対策だ」

 再度阿形吽形が祁答院に接近して今度は大ぶりのアッパーを繰り出す。

 だがその攻撃も先ほど同様に祁答院にあたる寸前でピタリととまる。

 そして突如として祁答院の顎にインパクトが走り祁答院は空へと吹っ飛ぶ。

 空へと飛ばされた祁答院は空中でピタリと止まって阿形吽形を見下ろす。

 「なるほど。そういう種か。粛清領域で攻撃は当たってはいない。だが殴るまでの過程を無視して当たったという結果だけを相手に伝えているのか。なら」

 祁答院は阿形吽形の目の前に瞬間移動すると、お返しといわんばかりに阿形吽形にアッパーをお見舞いする。

 空高く突き上げられた阿形吽形に向かって人差し指をたてる。

 「〈あおほし〉」

 祁答院の指先で発生したサッカーボールほどの大きさの青く光る球体が阿形吽形に向かって放たれる。

 青く光る球体は阿形吽形の胸部に大きな穴をあける。

 「おいおい、マジかよ。今確かに死んだだろうがよ」

 阿形吽形は祁答院の攻撃によりたった今確かに死んだ。だがすぐに、開けられた穴を修復して蘇った。

 そして今までの巨体から一変して全身がスリムになり、その頭上に赤黒い光の輪が浮かび上がる。

 「余は無敵の化身なりて」

 阿形吽形は空より祁答院を見下ろす。

 「そうか、ならもう一度壊すまでだ。〈青き星〉」

 再度放たれた青く光る球体は阿形吽形をすり抜けて遥か空へと消える。

 「無駄なり。余は無敵だ」

 「ああ、確かに俺対策だな。どんな力も攻撃が当たらなければ無意味。お前は攻撃が当たるまでの過程を無視して外れるという結果を生み出すのか。だがそれってお前自身も攻撃を当てられないぞ」

 「問題ない。再度阿仁に変われば攻撃は当たる」

 「なら今すぐ変わればいいだろう?なにか仕掛けがあるな?」

 

To be continued.

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