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アカギ戦記  作者: 饅頭
一章【京都百鬼夜行】
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暗黒太陽

 邪竜の口から放たれた火球は葵に向かって飛んでいく。

 火球が接触する寸前で葵は突然せまりくる脅威への驚きで足を滑らせた。

 普通に街灯から落下したことで火球による攻撃を避けることができたが今度は真下に張られた触れれば即死の黒泥が待っている。

 そこへすかさずヤクモが飛び出して葵を空中で受け止めてそのまま建物の中へと入りこむ。

 「っと。油断も隙もないな」

 「た、たすかった~」

 「外を逃げるのはよくない。建物の中から別の建物の中へ飛び移りながら距離をとるぞ」

 「うん。お願い」

 

 邪竜は自身の火球が外れて怒り凄まじい咆哮を放つ。

 「邪竜。戻れ」

 蘆屋のその一言で邪竜は一瞬で黒泥となってくずれて消える。

 「逃がすか。メリー出番だ」

 黒泥から起き上がるように姿を現したのはブロンド髪の少女。

 「私、メリー」

 「メリー。仕事だ。彼女たちの元へ」

 蘆屋がメリーと呼ばれた式神の頭に手をのせるとメリーはニコリと笑う。

 「わかった。私、メリー。今」

 突如として二人はその場から消え去る。


 窓ガラスを突き破り、建物から建物へと高速で飛び移って葵とヤクモは移動する。

 「この魔力、恐らく祁答院はあっちだ」

 「とりあえず合流さえすれば状況は変わる」

 「そうだマスター」

 二人が建物から外へと飛び出した時。

 「今あなたの後ろにいるの」

 耳元でささやかれるように知らない声が聞こえた。

 驚きのあまりヤクモは次の建物ではなくそのまま裏路地に着地する。

 「みつけた」

 「また、追いつかれた・・・」

 ヤクモは蘆屋の足元から黒泥が流れてないことを確認して葵をその場におろした。

 「案外、移動してたようだね。でも残念。私の大切な式神の一つ、メリーだ」

 蘆屋は少女の肩をトンと触れる。

 「無駄話程意味がないことはない。君たちが逃げるというのなら私にも考えがある。〈暗黒太陽あんこくたいよう〉」

 地上30メートルほど、路地裏の真上に直径10メートルほどの黒い太陽が出現する。

 途端、周囲の景色がゆがむ。

 「なにこれ?」 

 「恐らく簡易結界だマスター」

 「その通りだ怪異。この周囲の空間を捻じ曲げた。私から離れようと逃げても何故か私の目の前に自ら来てしまう。そういう結界だ」

 「完全に詰んでいるっていいたいのよね」

 「その通りだ。仮に結界範囲外に出たとしても外は死泥雲海の泥で埋め尽くされている」

 「どうするマスター」

 「限定解除をする」


To be continued.

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