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アカギ戦記  作者: 饅頭
一章【京都百鬼夜行】
19/130

阿形吽形

 時間は遡り12時36分ごろ。

 京都の上空にていつでも駆け付けられるように祁答院杏良太が待機していた。

 「あれは?」

 祁答院が山側の方に目を向けるとゆっくりと巨大な影が現れだしていた。

 「魔物?いや妖怪の類?どっちでもいいか」

 祁答院の手に赤く光る玉と青く光る玉が出現し、その二つがぶつかり混ざり合い黒く白い光を放つゴルフボールほどの大きさの玉へと変化する。

 「〈虚光きょこうほし〉」

 祁答院から放たれた白く光る黒い球はとてつもない速度で巨大な影に直撃した。

 だが巨大な影は消えることなくい更に巨大に膨れ上がる。

 「ただの妖怪じゃない。俺の対策用にでも作った式神ってところか?なら少し加減はいらないか」

 祁答院がかけていたサングラスを外す。

 「うん。良く見える。やはり式神の類か、外見は日本の妖怪。山のような怪異【だいだらぼっち】中身はかなりいびつな感じか。少し距離があるな」

 祁答院が指を鳴らした瞬間、祁答院はその場から消え巨人の眼前に迫っていた。

 巨人はその肉体全体がゼリーのような半透明な肉体でいて、液体のように体全体が流動している。

 「虚光の星が効かないならこういうのはどうだい?」

 祁答院が手刀を構えるとその手に黒いオーラがふつふつと宿る。

 「〈くろきつるぎ〉」

 手刀を振るうと手にためられたオーラがものすごい速さで巨人めがけて放たれる。

 放たれた黒いオーラの斬撃は巨人を真っ二つにする。

 だが巨人は切られた断面同士が引き寄せあって一体となり元通りになる。

 「なるほどな。斬撃無効ね。異様な再生能力、虚光の星が効かないんじゃなくて速攻で再生した感じか、まぁ威力抑え気味だったしな。じゃあこういうのならどうだい?」

 祁答院が左手を前に掲げて握りつぶすような動作をとりだす。

 「〈反転領域はんてんりょういき圧制牢獄あっせいろうごく〉」

 ズンと地面が沈み同時に巨人の肉体が圧迫されだす。

 「このまま押しつぶす。鈍重な君にはよく効くんじゃないか?」

 徐々に巨人の肉体が圧縮されていきものの数秒でその巨体は半分になっていた。

 「へぇ。案外頭がいいのかな」

 巨人は自らの肉体を自らで一気に圧縮させてその形を変貌させる。

 まるで仁王像のような姿へと変わり同時に圧力による影響をうけなくなる。

 「圧縮して再生能力の向上か。圧力によるダメージがほとんど意味をなさないのか」

 「我は阿形吽形あぎょううんぎょう。我の目的は貴公の足止め。いざ尋常に勝負せよ」

 「言葉を話す式神か。いいだろう」

 祁答院は空中から一瞬にして阿形吽形の目の前に降り立つ。

 「いい度胸だ。我の力の前に屈服せよ」

 「時間がない。速攻で終わらせる」


To be continued.

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