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アカギ戦記  作者: 饅頭
四章【深淵都市ベルリン】
155/168

閉じられた大穴

 「まったくもって僕たちをここまで追い詰めるとは流石だね。一気に形勢逆転された感じだよ」

 明智が刀を構えロゼとの間合いをとりつつ逃亡のすきを窺う。

 「明智。まずい、はやくしなければ増援が迫ってきている。それに駆逐艦も一機落とされている」

 「あぁ。それにどうやらマナを使えない。厄介だが、恐らく元から用意してあったものはいけるだろう」

 明智は懐から丸められた羊皮紙を取り出す。

 「スクロール!あなたたちそんなものまでもっていましたの」

 スクロールとは魔術世界における開くだけで封じられた魔法が発動する代物。

 基本的な製法は紙を作るのと同じで木から作られることが主だが大した魔法をストックできない。

 それゆえに動物の皮を使うことが主流であったがそれでも態々そんなものを持ち歩くコストに見合わない。

 最も上質なものを作れる材料としてあるのは人間の皮である。

 明智が持つスクロールは人間の皮でできたものでより強力な魔法すら封じ込められる。

 「おそらくこの魔法が使えない状態とは人間がマナやオドを用いて行使することであり元より開くだけで発動する様なものやアーティストなどには効力は及ばない。故に離脱は可能」

 明智がスクロールを開くとスクロールが金色の炎に包まれて燃えてなくなる。

 同時に明智とアーサーはその場から瞬時に姿を消した。

 「逃げられましたわ。・・・・。それよりも、まずいですわね、この惨状は」

 大穴は塞がった。

 塞がりはしたが町は、都市は、修復されず。

 つまるところブランデンブルク門を中心に半径4キロの更地が広がっている。

 その更地に空より一隻の駆逐艦が墜落する。

 墜落した駆逐艦よりフランシスと那由多が現れる。

 そして葵の乗る海賊船はルクセンブルク門へ到着する。

 「ロゼ!敵は!?」

 葵がフライング・ダッチマン号よりルクセンブルク門へ飛び降りてロゼへと駆け寄る。

 「葵。すいません。すんでのところで逃がしてしまいましたわ」

 『あの聖樹から逃れられるとは驚きましたね。おそらく現魔術世界の禁忌、人間製のスクロールの類でしょうね。製法は私が奈落に幽閉されるより前に失われていたはずですが』

 「え?誰ですの。というより声質というか、なんというか。しゃべり方気持ち悪いですわね」

 『なんと失敬な。私は彼女、赤城葵様の忠実なるしもべですが。何か問題でも?』

 「しもべ?いやいやいや。それに貴方のその姿。どこかの文献で・・・」

 『あまり詮索するのはよろしくないですね。そんなことよりマスター。逃げた彼らの追跡を開始しましょう。スクロールで使ったのはテレポート類の魔法。ならばこの年全土に黒き悪魔を解き放てば一網打尽』

 「黒き悪魔?何する気なの?」

 『使い勝手の悪い魔獣ですが。こういう場所において探し物をするときに非常に便利なんですよ。わかりやすく言うなら大量のゴキブリを』

 「ストップ!ごめんそれ以上聞きたくない」

 『いやはや見た目はそれらと類似しますが魔獣なわけで』

 「本当にやめて。確かに逃げられたのはまずいけどとりあえず。今後のことを考えないとだし」

 「その通りだね」

 フランシスと那由多もその場に合流する。

 「フランシスさん。っと・・・」

 「初めまして。私は協和法廷の法の番犬といわれている天城那由多あまぎ なゆただ。赤城葵。君のことは聞いている。敵を追うのも大事だがこの現状をどうにかせねばならない。早急に対処するぞ」


To be continued.

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