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アカギ戦記  作者: 饅頭
一章【京都百鬼夜行】
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金魚鉢

 3月8日。12時10分。京都。

 「赤城君、作戦が決まった。ポーター君がここまで穴を通すからそこから各々持ち場に配置する」

 「わかりました」

 「人員を配置するのは烏丸五条の交差点と伏見警察署武田交番付近、金輪寺霊園付近、烏丸北大路の交差点、五条天神川の交差点。そして京都全域を祁答院殿が空から見ることになった」

 「私は何処へ?」

 「赤城君は金輪寺霊園をヤクモと共に見てくれ。私は五条天神川を見る。近場だから何かあったらすぐにフォローに入れるからな」

 「わかりました」

 「よし、時間もないから持ち場に移動するぞ」

 「他の人たちは?」

 「ポーター君が今最低限の人員を導入している」

 「細かい配置の情報は支給されてるスマホに作戦概要ごと送られているはずだから」

 「承知しました」


 同日、12時40分。

 それぞれが百鬼夜行発生予測位置にスタンバイが完了する。

 烏丸五条の交差点付近には氷室が周囲を警戒していた。

 「畜生。なんでこうも人手が裂けないものかな。まぁ日本拠点なんて数年前にできたばかりだからなぁ。祁答院を貸し出せたのだけで良しとするか」

 氷室が愚痴をこぼしながら空を見上げると何かが空から近づいてきているのが見えた。

 「なにあれ?」 

 目を凝らしてよく見るとそれは巨大な金魚の大群だった。

 「陰陽術!まずい混乱に乗じる気だな!祁答院は何をやってんだ」

 氷室は状況を理解するなり点滅している歩行者信号の横断歩道のど真ん中に止まり空を仰ぐ。

 「私に陰陽術は使えない。なら全てを凍らせる。〈アイスエイジ〉」

 瞬間的に氷室の体温が下がり体から冷気が放出されていく。

 「〈フライ〉」

 氷室の体がふわりと浮き上がり、そして一気に空へと飛びあがった。

 大量の迫りくる金魚軍の群れのど真ん中で止まると、周囲の金魚が氷室めがけて口を開けて突進してくる。

 「〈アイスエイジノヴァ〉!」

 氷室の絶対零度まで下がった体温が四方八方へ一気に冷気として噴出される。

 冷気にあてられた金魚たちはまるで冷凍された魚のように固まり、一気に破裂し結晶となって降り注ぐ。

 「まだ数引き取り逃してるか」

 氷室の冷気の射程外に逃れた金魚たちは京都の町を行きかう人に襲い掛かる。

 既に人々はパニックを起こして阿鼻叫喚の地獄となっている。


To be continued.

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