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アカギ戦記  作者: 饅頭
四章【深淵都市ベルリン】
142/166

始祖

 『システムオールグリーン。起動シークエンス開始。個体名【始祖】の起動を実行します』

 『・・・。失敗しました。再度実行します』

 『失敗しました。妨害工作を検知しました。原因の速やかな対処を要請』

 『・・・・。防御プログラム構築。再度再起動の実行を開始します。・・・起動率5%、18%、30%、52%、70%、87%、90%。最終警告、クロノスシステム個体名【始祖】の起動を実行してよろしいですか?』

 『実行の承諾を確認。【始祖】を起動します』

 メインモニターの表示が切り替わりクロノスシステムの統括システムが教授から始祖へと切り替わる。

 『・・・・。まさか私が再び目覚めるとは思っていませんでした』

 PSAヴァルハラ拠点最深部、第十三フロアクロノスシステムの部屋の中に女性の声がこだまする。

 「始祖、久しぶりだな」

 『あら?バスター・アルムンド。貴方の顔をまた拝む日が来るなんて。私を再起動しサブユニットからメインユニットへ移行したということは、教授が裏切ったのですね』

 「そういうことだ。今教授からネットワークを通じて攻撃を受けている真っ最中だ」

 『確かに伯爵のシステムに現在進行形でハッキングを受けていますわね』

 「あぁ。だから早急に手を打ちたい。教授を完全にシステムから切り離して伯爵の領域を取り戻してほしい」

 『わかったわ。でもすでに伯爵の領域の70%は支配されている。伯爵が自己防衛の範疇で守っている最重要エリアを保護して何とか支配された領域を奪え返せないかやってみるわね』

 「頼んだ」

 『うん。なんとか侵食を食い止めることはできそうだわ。でも残念ながら奪われた領域を奪い返すのはかなり難しいわね』

 「完全に奪われなければとりあえずはいい」

 『あら?問題発生だわ』

 「問題?これ以上にか?」

 『えぇ。今ベルリンにおいて厄災が顕現しようとしているわね』

 「このタイミングでだと?いや、このタイミングだからか」

 『厄災の個体名を推測するに【オールドマザー】と思われるわね。今ベルリンにいる勢力では顕現の阻止は99%不可能よ。そうなればドイツは地図から消えることになるわ』

 「止める方法は?」

 『もちろんあるわ。太陽の顕現を阻止できるのは同じ海より来る月を顕現することね』

 「つまりは、この場。この大海で別の厄災を顕現させろということか」

 『そうなるわ。同じ世界に二柱の厄災は顕現できない。ベルリンでの厄災が完全顕現を果たすのは今から30分ほどかしら』

 「間に合うか?」

 『間に合わせるには、奪われた領域を手放すことしかないわね』

 「だったら答えは一つしかない」

 『どうするのかしら?』

 「この空母で厄災を顕現し打破する」


To be continued.

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