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アカギ戦記  作者: 饅頭
四章【深淵都市ベルリン】
139/160

明智義景

 ロゼが門へ向かって飛翔する間を援護するために葵は再度構える。

 先ほどまでと違い完全に警戒しているアーサーにロゼはすぐに発見される。

 「単身で乗り込むとは笑止、焼き切ってくれる。〈灼熱妖漸〉」

 アーサーは指で刀印の形を作りロゼ向かって縦に振り下ろす。

 するとその振り下ろした軌道に合わせて半月上の斬撃が放たれる。

 「私を相殺したなら私も相殺できるよね〈一射必中〉」

 対して葵も必中の矢を放つ。

 互いの攻撃は空を切り飛翔するロゼの眼前で爆散し相殺される。

 「やるな。だがこちらも一人だと思われては困るな」

 葵は背後に殺気を感じて飛びのく。

 「おっと残念。そのまま楽に死ねたのに」

 「仕込み杖!?」

 葵を襲い掛かってきた男はどことなく大正時代の風貌で軍帽を深くかぶり仕込み杖をレイピアの様に構えている。

 「祁答院がこっちに来なかったから暇していたんだ。初めましてこの世界の人間ちゃん」

 「???あなたもアークの人間」

 「そう。僕は幹部の一人、明智義景あけち よしかげっていうんだ。君はもう僕たちの仲間、3人くらいに出会ってるよね」

 「3人?・・・」

 葵の脳裏に芦屋、アーサー、そして先ほどのサムライソードがよぎる。

 「あぁ確かにあってるけど・・・」

 「それらに出会っていまだに五体満足とは運がいいと思うよ。でも僕が相手じゃそれもここまで。最高位にして最大の死を与える」

 「最大の死ね・・・。これ以上ロゼの援護はできないか。なら全力でこっちを相手にするしかないよね」

 「威勢がいいのは嫌いじゃないよ。でもそれは蛮勇、愚かだね」

 「それは、どうかな〈百射百中ひゃくしゃひゃくちゅう〉!」

 葵と明智との距離は数メートル。

 その距離でもって葵は弓を射る。

 放たれた一射の矢は即座に分裂し、花火のように広がり軌道を変化させ雪崩のごとく明智へと一気に襲い掛かる。

 一射必中が長距離を撃ち抜く矢ならば百射百中は短距離を確実に撃ち抜く矢。

 「愚かといったよね。〈亜咬あかむ〉」

 明智の持つ仕込み杖の鞘から耳鳴りのような高い音が鳴り響き、破裂音と共に鞘の穴より赤い突風が吹き荒れる。

 突風は百本の魔法の矢をすべて吹き飛ばす。

 「魔法の、風・・・」

 明智は仕込み杖を鞘へと納める。

 「この程度の練度の技なら僕の暗殺剣を振るうに値しないね。超常をもって死ぬといい」

 「超常?」

 「あぁ何が起こるかはわからないからね。〈超常波動ちょうじょうはどう〉」


To be continued.

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