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アカギ戦記  作者: 饅頭
四章【深淵都市ベルリン】
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一射必中

 葵とロゼは教会の屋根からブランデンブルク門の方角を見ると先ほどより広がった大穴が確認できた。

 「どこまで広がるの?」

 「どこまで広がるかが問題ではない気もしますわね。あの穴。変でありませんこと?」

 「変?」

 「穴の真上を覆う黒い空、それによって太陽の光が差し込まないから暗いのはわかりますわ。でも暗すぎません?」

 「確かに」

 「それにあの門。なぜあれだけ穴の中心で何事もなく聳え立っているのか不思議で仕方ないですわ」

 「そうだね。見るからに深そうなのにまるで宙に浮いているみたいに・・・」

 「どうかしましたの?」

 「あの門の上。誰か立ってるよ」

 「よく見えますわね。わたくしには何も」

 葵はスマホを取り出してカメラを起動すると門の方角をズームさせる。

 「だめだ。遠すぎてぼやける」

 「にしてもどんな視力してますの?4キロ以上は離れてますわよ」

 「わかんないけど。多分固有能力の副産物かな?神撃之矢が使えるようになってから視力がよくなった気がするんだよね」

 「バケモンですわ。でもこんな状況でそんな場所に立っているとしたら一人しか考えられませんわね」

 「この大穴の犯人、アーサー・オズボーン」

 「とりあえずフランシスさんが戻りませんが二人で強行しますわよ」

 「わかった。あ、でもどうせなら奇襲じゃない?」

 「それは・・・いい手ですわね」

 「この長距離で小さい的に確実に当てる」

 葵がゆっくりと弓を弾く所作をとると同時に魔法の弓と矢が形成されている。

 風の吹く音すら葵の耳には届かず、ただはるか彼方の的へと意識を手中させる。

 まるで的と自身の距離がなくなるような錯覚。

 やがて矢を引く右手に魔力の高まりを感じる。

 「観えた。〈一射必中いっしゃひっちゅう〉」

 

To be continued.

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