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アカギ戦記  作者: 饅頭
三章後半【協和法廷パリ】
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新手

 「そうだよな。距離をとるよな。二次元的にではなく三次元的に」

 皇は不敵に笑いガラスの剣を草薙剣へと入れ替える。

 「知ってるか最強さん。この剣は切った相手に致命傷を与える。それが認知されている力、だがもう一つある、刀身を見た人間の精神を狂わせる」

 「知ってるさ。だからこそこの距離だろ。この距離があれば短刀を投げようがはじき落としてカウンターを与えられる」

 「そのなんでも見える目で見てもその程度しかわからないか?精神を狂わせる対象は魔力を有する生物、この剣は魔力を乱して精神を汚染することで狂わせる。つまり距離をとることで不利になるのはお前ってことだな」 

 「なるほど、じゃあ手っ取り早く一気に片を付けさせてもらう。〈虚光の星〉」

 無差別に全てを滅ぼす黒く光り輝く球体が杏良太の掌の上で形成される。

 「すべてを無に帰す一撃か。だが当たらなければどうということはない」

 「よけられればな」

 杏良太の掌よりはなたれし球体は弾丸の速さで皇へ迫る。

 皇へと直撃する寸前にピタリと止まる。

 「なに?」

 そして球体は杏良太へ向かって放たれる。

 杏良太はそれをぎりぎりでかわす。

 「ほらな。当たらなければ無意味だ」

 「今のは・・・お前の力じゃない。新手!?」

 「皇、まったく君ってやつは僕が助けなかったら今の攻撃どうする気だったんだい?」

 森の中より真っ白いカソックを着た赤髪の男が現れる。

 「お前・・・裁定者のニコラスだな」

 「そうだけど。だったらなにかな?それより皇、予定の時間より遅れているじゃないか。まったくどうなっているんだい?」

 「そう怒んなって、あと二回だ」

 「じゃあ早くしてくれないかな?僕はすでに後追いのお仲間を片付けて封印された祁答院杏良太を回収して帰る気でいたんだからさ」

 「ニコラス、お前自分の仲間を手にかけてきたのか!?」

 「いちいちうるさいな、それにそんな空高くから見下ろさないでくれないかな?失礼極まりないよ。大司教のほうは殺せたけど枢機卿には逃げられたからな、まぁこの作戦をもって教会をやめるつもりだったから逃げられてもなにも困らないんだけどさ」

 「そうか。なんとしてもここでお前たちを排除するしかなくなったな」

 「そんな強がりも言ってられないんじゃないかな?君、魔力量がバカみたいだし粛清領域で中和していても草薙剣の影響はしっかり受けているだろ?それに龍素も浴びている」

 「龍素!?」

 「まぁいいや。落ちな」

 ニコラスが手を下に振りかざすと杏良太は磁石に引っ張れたみたいに地面へ叩きつけられる。

 「ほら。本来の君なら影響されない攻撃だ。だが影響されるのは毒によって魔力操作の精度が落ちているからだ。ほら皇、落としてやったぞ、あとは君の仕事だ」

 「悪いなニコラス」

 皇は草薙剣を硝子の剣へ切り替え驚異的な速さで地面に落とされた杏良太へ間合いを詰める。

 「まっすぐ突っ込んでくるよな。〈虚光の星〉」

 「無駄だよ」

 皇へと放たれた虚光の星はニコラスの能力によってはるか彼方へと飛んでいく。

 「6回目だ!」

 切られた感覚は今まで同様にないが体全体にしびれる感覚が走る。

 そして本来よけられるはずの追撃を七回目のガラスの剣による斬撃を受ける。

 

To be continued.

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