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アカギ戦記  作者: 饅頭
三章後半【協和法廷パリ】
123/130

求刑

 「ジョン・クリスタル裁定者。被告人赤城葵に対して聖典教会は何を求める」

 「はい。私たち聖典教会から被告に求めることはその身柄を聖典教会へ引き渡すことです」

 「異議ありだ」

 「祁答院杏良太抑止力。発言を認める」

 「被告の身柄はPSAへと受け渡してもらう。何故ならばヤクモはPSAの管理下にあったものだ。そのヤクモを野に放ったのならばその放った奴の身柄を要求するのも理にかなうのじゃないか」

 「異議あり。それは元部下を身内で囲おうという算段にしか聞こえないが」

 「ジョン・クリスタル裁定者の意義を認める。どうなんだね祁答院杏良太抑止力」

 「では逆に問うが、何故聖典教会が被告の身柄を要求する。その意図が見えないが、まさかソロモンの指輪欲しさに内部で殺害するんじゃないのか?」

 「憶測でそういうことを言うのは感心しないな」

 「では何故身柄を要求するのか」

 「そうだな。この際腹の探り合いはやめようか。被告の身柄を要求する意図、それはヤクモ奪還を行ってもらうからだ」

 「成程、ではヤクモの身柄が一番の狙いか」

 「それが上の方針だからな。ついでにお前と同じ立ち位置にある天の使いの身柄も欲しいところだが」

 「それはあまりに話が飛躍しすぎだと思うが」

 「カルロス=ジョン・ノーチラス裁判長。聖典教会の要求、つまり被告に対する求刑はその権利を聖典教会のものとすること。以上です」

 「よろしい。では祁答院杏良太抑止力、求刑に対する意見を」

 「はい。被告の犯したことは全て自身の意志ではない。故に被告に対する責任追及は全くのお門違いと考えます。よって被告への要求は妥当ではないと考えます」

 「では誰がこの問題に対して責任をとるというのだ」

 「PSAが総力をもってヤクモを奪還する。アレを使って連中が何をするか皆目見当がつかないが、後手にまわる前に阻止するのがPSAの見解だ」

 「だが一度奪われる連中にそれが務まるとは思えないが」

 「そうか、ならますます被告の身柄を重要視する意図が分からないが。易々ヤクモを奪われたんだぞ。奪還に有効と思えないが」 

 「うちにはうちのやり方がある。それにPSAにいるよりかは被告の為になるんじゃないか?しっぽ切りの様な扱いはうちではしないが」

 「その発言は今ここで全面戦争を起こしたいってことか?」

 カンカンと木槌が叩かれる。

 「祁答院杏良太抑止力、少し熱が入りすぎだ」

 「失礼いたしました」


To be continued.

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