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アカギ戦記  作者: 饅頭
三章前半【仮面夜会ロンドン】
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祝福

 同日21時。ゴードンズ・ワインバー。

 葵とロゼがボトルを空けてチーズをつまみに談笑していると二人の卓に一人の男がやってきて腰を掛ける。

 「よっ!久しぶりだな」

 「蓮さんも元気そうですわね」

 「ローズが言ってた会わせたい奴っていつかの京都であった娘じゃん。えっと・・・」

 「お久しぶりです。赤城葵です。市ヶ谷蓮さん」

 「そうそう赤城さん!元気で生きていたようで何よりだよ」

 「市ヶ谷さんはあの後どうしてたんですか?」

 「それはゼノンの力で戦線離脱したんだよ。使用後は一カ月スリープモードになるから諸刃の剣なんだが」

 「そうだったんですね」

 「ところで俺にどんな要件だったんだ?」

 「皇について伺いたいですわね」

 「すめらぎ・・・。あぁ奴か」

 「知っているんですか?」

 「知ってるとも、いつボイジャーとしての権限が剥奪されてもおかしくない程には色々やってるな」

 「仕事じゃないからといって彼は引きましたわよね。ボイジャーの仕事という事でしょうか?」

 「いんや、ボイジャーは確かに組織ではあるけど基本自由主義だから仕事とかはないな」

 「そもそも私はボイジャーがあまりよくわかってないんだけどね」

 「ボイジャーってのは俺みたいに左手の甲に黒い星の刺青をもつ者たちの総称だな。なんでこんな組織がるのかは知らんけど、ボス曰く旅をしろってさ」

 「旅?ていうかボスって?」

 「そりゃ組織のボスだよ。名前はレオン・S・ケディ。断罪者の異名で知られてるな。どこの組織にも属していない俺みたいなのに声かけてボイジャーにしてんだよ」

 「なんのために?」

 「だからよく知らないって。それで他に何か聞きたいことは?」

 「そうね。私は特にないのだけれど。葵は?何か聞きたいことはなくって?」

 「皇っていう人について」

 「あー、そうだな。皇の異名は魔術師殺しだ」

 「魔術師殺し?」

 「数多くの魔術師を屠ってきている」

 「でもそれは固有能力による恩恵なのですよね。実際私の能力で無効化したら潔く引き下がりましたわ」

 「確かに何らかの能力を持っていたはずだ。でも矛盾があるんだよ」

 「矛盾?」

 「固有能力に限らずいわゆる全ての能力は、マナかオドによって発動される。でも奴に魔力はない」

 「魔力がないというのはどういうことですの」

 「魔力量が0なんだと」

 「でもオドで能力を行使できんじゃないの?」

 「そもそもマナがないということはオドに干渉することができないんだよ。マナとオドに関する論文においてオドの認知には自身の持つ内面のマナに対する認識の先にある。つまりマナがないやつが空気中のオドを感じることは不可能。それこそ現代においてオドの総量は年々減少傾向にあるからな」

 「え?ちょっと待って」

 「どうしましたの葵」

 「レイ教授の授業でオドは訓練次第で誰でも使えるって教わったんだけど」

 「それは一般的にってことだ。そもそもマナがない人間が異常なんだ」

 「オドもマナも使わないとなると。神秘の先の能力ということになりますわね」

 「序列って神秘が最高峰じゃないの?」

 「神秘の上は祝福ですわ。それは人が決して到達できない領域。いわば世界に与えられた能力。故に魔術の常識が通用しないとされていますわ。正直文献が少ないので細かいとこまでは分かりかねますわ」

 「そっか、色々ありがと。ってもうこんな時間!ロゼにも市ヶ谷さんにも聞きたいこととかあるけど、私は一旦ロンドンの基地に帰還するね」

 「わかりましたわ。それでは葵、また学園で会えることを楽しみにしていますわね」

 「赤城さん、またね。そうだ。これ俺のSNS。用があったらそっちに」

 「ありがとう。それじゃ」

 

To be continued.

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