表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アカギ戦記  作者: 饅頭
三章前半【仮面夜会ロンドン】
106/161

契約破棄

 「アーク!?」

 「そうだ。それこそが我々の組織の名だよ。そして今回の私の目的それは」

 アーサーは葵に近づいて左手の指輪に触れる。

 「何をする気!」

 「この指輪の便利なところは魔力を無尽蔵に生み出せるけど、それは使用者には還元されないところにある」

 「は?」

 「意味が分からないかい?つまり生み出された魔力は誰でも使えるんだよ。〈限定解除2番〉」

 地面に1メートルほどの円が出現すると同時にその場にヤクモが召喚される。

 「ヤクモ!」

 「一体全体。マスター、これはどういう状況だ」

 ヤクモはゆらりと立ち上がる。

 「やぁ初めまして最古の吸血鬼。いや・・・・。その搾りかす」

 「貴様ァ!」

 「〈契約破棄〉」

 瞬間、葵はヤクモとの間にある何かがプツンと切れた感覚に襲われる。

 同時にヤクモの装いは一気に変化する。

 腰まであった長髪は短くなり、両目を覆っていた眼帯は消えて紅の両眼が葵を写す。

 囚人服は深紅の外套へと変貌する。

 「ヤクモとの・・・契約が消えた・・・」

 「契約していても君ごときでは宝の持ち腐れだ」

 「人間、勝手なことを。正直気分が悪い。葵、再契約だ」

 ヤクモは眉間にしわを寄せて葵へと歩いていく。

 だがその間にアーサーは割って入る。

 「自由の身になったのにまた縛られるのか?」

 「このままだと人類最強さんに狙われ続けるからな」

 「では私と契約するのはいかがだろう?」

 「フハハハハ。調子になるなよ人間。殺すぞ」

 「それは失礼した。では封印だ」

 「なに!?」

 ヤクモの体は凄まじい光に包まれて一瞬で野球ボールほどの水晶石に取り込まれてしまった。

 「さてと。これで私のここでの仕事は終わりだ」

 「どこへ行く気!」

 「次の仕事にだ、その前に小娘。君にはここで退場していただこう」

 アーサーは葵へと近づきその頭部にゆっくりと手を伸ばす。 

 刹那葵は思考する。

 この状況を打破するための一手を。

 両手の自由はない、故に戦闘魔法では狙いを定めることはできない。

 それゆえに最善の選択肢は。

 「〈フラッシュ〉!」

 暗いドーム内を一瞬だけ凄まじい光が駆け巡る。

 その光は葵を抑え込む黒子達そしてアーサーの視界を数秒奪う。

 特に最も近い黒子はあまりのまぶしさに一瞬拘束が緩む。

 「〈テレポート〉」

 一瞬にして葵はアーサーより15メートル距離をとる。

 だがしかし、葵を拘束していた黒子のうち、拘束を緩めなかった3人ほどが一緒に瞬間移動する。

 「〈リキッドボディ〉」

 すかさず葵は次なる魔法を唱えると個体の体は液体へと変化する。

 液体となった葵の体を黒子達が通り抜けて互いにぶつかりその場に倒れこむ。

 葵はその隙に更に後ろへと後退する。

 「〈インビジブル〉」

 液体の体を個体へと戻し更に魔法を発動。

 一瞬にして葵はその場の全員の視界から消える。

 「っち!追え!逃がすな」

 やっとこさ視界が回復したアーサーが黒子達に向かって叫ぶ。

 ドームの出入り口は一つのみ葵は扉に向かって走る。


To be continued.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ