アーサー・オズボーン
落札から数分後、葵とロゼのいる部屋の扉が叩かれる。
ロゼが中へ通すとそこへ現れたのは黒子の二人組。
葵は一人その黒子達に連れられて部屋を出ていく。
「あの私は何処へ?」
黒子は答えない。
長い階段を下りていき巨大な扉をくぐるとそこは巨大なホールとなっている。
それは先ほどまで葵が見ていた景色。
中央の円舞台には一人の男が立っている。
「アーサー・オズボーンさん・・・」
「やぁ赤城葵。やはり君に招待状を送って正解だったよ。では約束通りこれを君に」
アーサーが突き出した右手を開くとそこには先ほど葵が落札した指輪があった。
「魔術王の指輪でしたっけ?」
「あぁ。正確には魔炉の指輪。これはその名の如く魔力を生み出す指輪」
葵は渡された指輪を受け取り左手の中指へとはめる。
「つけたな」
「え?」
途端葵は周囲に控えていた黒子に抑えられてその場にねじ伏せられる。
「なッなにを!」
「そう吠えるな小娘」
先ほどまでの穏やかな口調とは一変し、人の心を見透かしたような悪魔の如く口調になる。
「アーサー」
「きやすく呼ぶな。全く、京都では恭介が世話になったな」
「京都!?・・・はっ!」
「そうだ。そうだよ。だからこそ君だ。いつからこれが計画されていたと思う?」
「いつから・・・。京都の後・・・?」
「否だ。最初からだよ。では改めて名乗らせてもらおう。私は、いや私たちはアーク。究極次元覇王をもって新たなる創世記を願いし者達である。その最高幹部が一人それこそが私、アーサー・オズボーンだ」
To be continued.




