黄金の指輪
『それでは紳士淑女の皆々様方。最後の一品をお持ちいたします』
アーサーがそういうと黒子が黒いお盆を手に登場する。
お盆にかかった布をはぎ取るとそこには黄金の指輪が置かれていた。
『こちらは世界に10個あるとされる魔術王の指輪。その指輪の所在は半数が不明。噂によれば2つは聖典教会が保管しているとのこと。そして一つはPSA。もう一つが魔術協会。残る6つのうちの一つが今宵この場にある指輪です。この指輪をこの壇上に上げるのが我々の結成からの悲願でした。さてこの指輪、装着するまでその権能は不明です』
アーサーは一泊の間を置き再度話し出す。
『ではこの指輪、1,000,000リングより』
今日のオークションで最も高い値が付いた指輪。
その金額にすぐさま動く者はいない。
葵は生唾を飲みタッチパネルを操作して勝負に出る。
『おっと12番。1,500,000リング!っと思ったら49番2,000,000リング!』
すぐさま別の誰かが高値を張る。
だが葵も負けずに金を積む。
『更に12番2,500,000リング!が49番3,000,000リング!っと207番が5,000,000リング!』
「葵、勝負に出るのですわね」
「うん。何が何でも競り落とすよ」
「では私からアドバイスですわ。一発で決めてはいけません」
「わかった」
葵は更に金を積む。
ものの数秒で指輪に付いた金額は30,000,000リングにまで跳ね上がる。
途中で競り合いに3人ほど増えたが20,000,000リングを越えたあたりで葵と49番の一騎打ちとなってきた。
『12番ここで大きくかけてきた。60,000,000リング!さぁこれ以上はおりませんか?』
数秒の沈黙。
何時間にでも感じれる1秒。
『では・・・っとここでダークホース90番が80,000,000リングだ』
「葵ここは少しだけですわ」
「わかった」
『12番が食らいつく80,200,000リング。さぁ・・これ以上はいませんか?・・・。では、っと90番90,000,000リング!』
「葵!ここです!」
ロゼに言われた通りに残りの全てを上乗せする。
『12番が100,000,000リングです!これ以上はッこれ以上はいませんか?』
1秒が1時間にも感じるほどの数秒間。
『ではこちらの商品は12番が落札!』
To be continued.