表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/46

1.前野湊という青年

中学3年生の5月、前野湊の通う中学校に転校生がやってくる。龍崎空という、小柄で可愛らしい女の子だ。雨の日、傘を忘れた空に、湊が小さな折り畳み傘を差し出したところから、2人の距離は近づいていく。

お互いに悩みを抱えながらも、お互いを大切に思い、そして「小さな嘘」をつく。

第一章では、湊の目線から物語が進み、第二章では、空の目線から物語が回収されていく。

中学生という、大人でも子供でもない、そんな2人に起こる、心温まる奇跡の物語。

第一章


僕はこの物語の主人公。

前野湊(まえのみなと)、15歳。

身長174.2㎝、体重66kg


主人公と言っても、ごく普通の、どこにでもいるような平凡な中学3年生だ。


ちなみに、彼女はいない。

いたことがない。

ただ、モテないわけでもない…

と、思っている。


友達には、


「何となくタイミングを逃した」

「あんまりタイプじゃないしな」


なんてカッコつけて言ってはみるが、


本当の僕は、


「この程度の女の子連れてたら、友達にバカにされる」


「僕には、もっと相応しい子がいるんじゃないか」


なんて事を、思っている。


だだ、僕ももう15歳。

僕ってどうしようもないやつだって、客観的に自分を見ては、落ち込む事もある。

思春期ってやつだ。


僕にも、好きな女の子がいたことがある。

小学4年生から6年生まで、クラスで1番人気の女の子が好きだと、友達には話していた。


その子は、いつも身なりが整っていて、凛とした印象だったが、今となっては、正直よく思い出せない。


うちのクラスの男子は、ほとんどが、この子の事が好きだった。


「お前って、どんな奴がタイプなん?」

「佐々木だろ?1番マシだもんなー」


そんな問いに、


「まぁ、そんな、とこかな…」


ちょっとカッコつけて答えてみせた。


これが、僕の初恋なんだろうか?


僕が将来大人になって、初恋はいつだったか聞かれる事があるとしたら、僕は、この、たった数年で顔がはっきり思い出せない「佐々木さん」という人の事を、初恋の人だと言わなければいけないのだろうか。


思春期だから。そう、きっと僕は、思春期だから、考えなくてもいい感情に頭を悩ませ、思春期だから、しょうもない事で、心がいっぱいになってしまう。


そう、それが思春期だ。


でも、こんな、思春期真っ只中のこんな僕に、これから思いもよらない奇跡が起ころうとしていた。


それは、

ほんの小さな嘘から始まった、不思議な出来事。

ほんの小さな嘘から始まった、彼女と僕の奇跡の出来事だ。


少しでもお楽しみいただけましたでしょうか?

よろしければ、ページ下★★★★★

クリック評価、ブックマーク追加で応援頂ければ、大変励みになります!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ