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そして星に恋をする  作者: 円形リタ
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星が好きな青年

ちなみに現実で星空は半分見たことないです。

 夏は嫌いだ。暑いから。毎年毎年夏が来るたびに早く冬が来る事を願っている。


買い物に行くだけでもウンザリする。けどどこまでも追いかけてくるセミの泣き声は好きだ、どれだけ離れても何処からか聞こえるセミの音は小さい頃の楽しかった記憶が蘇る。昔は嫌だった時の記憶ですら今は楽しかった記憶だと思える。


僕の脳みそはいつもそうだ楽しかったことばかり思い出させてくる、しかも不意に。


だからこれからの未来の出来事もいずれは楽しい記憶になっていくのだろか。


.....しかし本当に暑いな。せっかく買ってきたアイスも半分溶けている、食べてしまおう。


今日は凄く天気がいい水色の空に大きな入道雲、これぞ夏。



そんな事を考えてるうちにウチの近所の雑貨屋の入り口の前で突っ立ってる人がいた。知り合いだ、同じクラスの。


「やあ、何してるの?」


急に声をかけられた彼女は驚いた様にこちらに振り向いた。


「あ、こんにちは。えっと、今は、買い出しかな」


どうやら戸惑っている様だ。急に声をかけたの不味かったかな?


「何買うの?」


「ロープとか、包丁とか。えっと、自由研究みたいなものかな、その、暇だから。」


「へぇ懐かしいね、小学校以来だ。」


「うん、結構手間のかかりそうな研究するから夏休み中にやるのがちょうどいいかなって。」


「そっか、じゃあ邪魔しちゃったね。じゃあねまた学校で。研究結果楽しみにしてるよ。」


そう別れを告げて帰宅する。ロープにナイフか...僕が買ったものとほとんど一緒だ。まぁ用途は彼女とは違うけどね。



 その日の夜寝苦しいほどに蒸し暑いので気分を晴らすために外へ散歩をしに出た。もちろん両親には内緒で、起こさない様に。


疲れてるだろうし...それにちょっと過保護だから。もちろん両親のことは嫌いじゃない。


むしろ好きだし、家族のために一生懸命働いてる姿は本当に尊敬できる。でも僕も高校生だ危ないことは自分で判断できるし、力だって小学校の頃とは違って強くなってきた。


でも両親が悪気があるわけじゃないって事は分かっている、むしろ自分のことを思って厳しくしつけてくれるのだろう。



「難しいな...」


いつもの口癖が意図せずに口から出た。鈴虫の音が支配しているこの空間で、少しだけ自分の存在を主張した。


....不意に空を見上げる....星だ。星が沢山ある。まるで祭りの様に暗闇に光が集まって音は聞こえてこないのに賑わいを感じる。


今、暗闇で一人ぼっちな自分とは正反対な星空を羨ましく思った。

 

—————————————————————


 先ほどの星空は何とも綺麗だった、子供の頃から見てた空と何も変わっていなかった。だから少しだけ安心した。


自分含め周りの物、人がみんな変わっていく様子が怖かった。だから少しも変わらない星空を見て凄く安心した。


僕は変化が嫌いだ。変化は平穏な日々を壊してくる、いつもと同じ日々を繰り返す事は幸せだと僕は思っている。


だから僕は星になりたかった。変化しない、変わらない星になりたかった。



だから、僕は今日星になる。

何か異世界転生しそうな展開...!

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