表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/136

プロローグ

 英雄の血族と呼ばれる存在、それは過去異なる世界から何者かの気まぐれで迷い込んだ、あるいは明確な意図をもって呼び出された英雄たちの子孫である。

 彼らは例外なく特別な力を見に宿していた。


 一振りで山を切り崩す剛剣であったり、魔術をはるかに超えた超常現象を引き起こす力であったり、死者をも生き返らせる奇跡であったりと個人が抱えるには大きすぎる物だった。

 故に時の政府は彼らを自軍に取り込もうと躍起になり、そして彼らを理由に数多くの戦が繰り広げられた。


 それに嘆いた英雄の血族は小さな集落を作り、わずか100人の村でありながら大国に匹敵する組織となった。

 その組織が壊滅するまでの間、英雄の血族を巡る争いは途絶えわずかに残る血族を取り込んだ大国の支配力も拮抗して世界は一時の平穏を享受していた。

 そんな最中である。

 血族としての力を示すことができれば大成は約束され、更には巨万の富に埋もれる事ができる時代において一人の血族がここに。

 アルヴヘイム共和国領土ミストレスの街の一角で彼は……。


「タワーのカード、崩壊を意味している。言いにくい事だけど今の恋人と結婚しても破滅しかないみたいだね」


 占いをしていた。

 対面するは目に涙を浮かべた、否、今この瞬間に涙を溢れさせた美しい女性。

 彼女は代金の代わりと言わんばかりに平手打ちを叩きこんで席を立ち、そしてそのまま雑踏に紛れてしまった。


「……あー、やっぱ言わん方が良かったかな」


 赤く腫らした頬を撫でながら店じまいの準備を始めた男は英雄の血族の数少ない生き残り、名をナルという。

 これはナルが死ぬための物語である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ