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オタクアンダーソン-神の手違いで異世界へ-  作者: 生くっぱ
第一章【ダンジョン攻略と過去の遺物】
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第7話 ダンジョンに潜む危険は臭い

【B1】


「待ちなさいよ! もー待ってってば!」


 後ろから聞こえるパイセンの声を聞きつつも前方へ注意を向ける。気配で分かるんだよね、何となく。うん、多分暫くなんもいないわ。セーフ。


「あれ? パイセンも来ちゃったの?」

「はぁはぁ……だって貴方……放っておいたら死んじゃうじゃない」

「テラ優しす。まぁでもへーきへーき、なんとかなるっしょ」

「何でそんな楽観的なのよ……キャッ!」


 バサバサと飛び立つ謎の小動物に声を荒らげるパイセン。でもそれ魔物でも何でもありませんから。


「ふぅ、驚いた……。あら? 結構明るいのね」

「……もしかしてパイセンもダンジョンは初めて派?」

「……そうね」


 何だルーキールーキーか。こりゃビギナーズラック先生も仕事が捗りますわ、勝ったも同然。


「さて、何からどうしたものか」


 落ち着いて周りを見渡すと広い目の洞窟が延々と続いているようなイメージの場所だ。って事は真っ直ぐ進めば良い感じ? 分かりやすくてナイスです。


「ちょっと! もっと警戒しながら進みなさいよ!」

「へーきへーき」


 警戒はしてるけど見た目には現れてないっていうね。お、何かいるっぽい。これは……多分ゴブリン的な?


「パイセン、奥にゴブリンいるから気をつけて。多分十二体」

「え、何で……それより十二体? かなり多いわね」


 そうなの? でも何から感覚的にはザコっぽいからほぼ無視でいいんじゃね? って感じなんだけど。


「そろそろ見える、パイセンいけてる?」

「い、いけてるわよ」


 うーん、パイセンはそれなりに戦いに慣れてたっぽいけど、やっぱ実践で敵の数が多いのはまだ辛いのかな。しゃーない、ちょっと減らすか。


「あ! 前に出ちゃダメよ!」


 俺は素早くパイセンの前に出て、視界にゴブリンを捉える。取り敢えず慣れてないし素振りからかな。軽く練習するか。 えっと、こんな感じ?


「キャッ!」


 その場で足を空振ると同時に爆風が発生。勢いそのままにゴブリン軍団に直撃。


【ゴブリンは全滅した】


 ……全滅? で、デジマ? おいおい素振りでコレとか流石にヤバスぎじゃね? 制御むず過ぎワロエナイ。


「え? 一体何を……」


 パイセンは何が起こったのやら状態で周りをキョロキョロしているが、ぶっちゃけ俺も似た様な心境だ。いやいやしかしここまでとは流石に……うん。どうしよう。……どうでもいいか。


「さ、次いこ次」

「ちょっと! ま、待ちなさいよ!」


 跡形もなく消し飛んだゴブリンゾーンを越えて、俺たちはダンジョンの奥へと進んで行った




 ______





【B5】


 どうも一階層にひとたまりの魔物がいるっぽい。さっきの階はイモムシがひしめき合っててパイセンがガクブルだったけど、今度はデカイのが一体だけ。あれなんだっけなー、何かに似てるんだけど。


「あ、アレは……フライリザード! こんな魔物まで……」


 パイセンが何か解説始めたけど、何というか鳥っぽいドラゴンみたいな? ワイバーン? んー、むしろイ◯ンクックっぽい。あー、イ◯ンクックだわ。


「パイセン! やつの弱点は騒音だ!」

「えっ!? 何でそんなの知ってるのよ!?」

「え、適当に言ってみただけ」

「……適当な情報はいらないんだけど」


 翼を大きく広げ、地を震わせる程の声量をこちらに浴びせてくるフライリザード。あれ? 騒音自分で出してるじゃん。


「こんな奴……無理よ! 引き返しましょ!」

「え?」


 パァンと、ワンパンで頭部が四散する。


「あ、ゴメン。倒したらまずかった?」

「……何で倒せるの?」


 呆気に取られるパイセン。轟音と共に地面に崩れ落ちるフライリザード。うげぇ……死体が生々しい……。何か色々とデロデロしておられる。因みにパイセンは疑りの目を向けつつ俺の方へと向かって来ている。


 なんかさっきまでの所だと吹き飛ばすとか虫とかだったけど、マジマジと死体を見るのはちょっと吐き気が……。ウップ、オエッ……ヤベ。吐きそう。


「ねぇ! 何で倒せるの……」

「オロロロロロロロロロロロロロロ」

「ギャァァァァァ私に吐かないでぇぇぇぇぇ」

「ぼぶぇば!」


 汚物を撒き散らしながらもパイセンに張り飛ばされ顔面が見事に汚物塗れとなり、更にパイセン自身にも盛大にかかってしまった。


 B5で既にこの満身創痍感。

 予想も出来ない悲惨な展開。

 何て危険な場所なんだ。

 これが……ダンジョンか。




 ______





【B6】


「うぇーくっさーい」

「もっと言って下さい」

「えぇ……」


 ゲロ塗れの二人は再びダンジョン攻略を再開。まさか五階であんな死闘が待ち受けているとは……。ダンジョン、奥が深いぜ。っつかこれ何階まであるんだよ。


「なぁパイセン、ダンジョンって何階まであるの?」

「さぁ? ダンジョンによるけど100階まである様なダンジョンも確認されてるみたいよ」


 いやいやいやいや。ダンジョン奥が深いぜってコレ、深すぎませんかね。え? 100階? 飯とかどうすんの? つか帰りは?


「ねぇ、アンダーソンくん。私に何か隠してない?」

「べべべべつになな何も隠してねーしバーローバーロー」

「怪しい……。じー……くっさーい!」

「そんな酷い! 是非もっと言って下さい」

「えぇ……」

「あ、何かいるっぽい。んー二体かな。両手剣のクマというかゴリラというか……ゴブリン?」

「ゴブリンファイター!? こんな下層でもうそんな上位種が出てくるなんて……もう無理よ、引き返しましょ!」

「え?」


 パァンと、既にゴブリンの両人とも頭部が四散していた。


「あれ? 倒すとマズかった?」

「……だから何で倒せるの? アンダーソンくん、あなたレベル1でしょ? ゴブリンファイターの適正レベルは一体でも20なのよ?」

「あ、なんか水場があるっぽい」

「え!? ほんと!?」


 凄い勢いで誤魔化されるパイセン可愛すぎワロタ。水場はあっちにありますよっと。


 いやーしかしだね。

 これマジで100階目指す感じになるの?

 不毛に長くね?

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