第54話 解散後のもの寂しさは異常
「……ん? お主何故その様な場所で?」
「いや、……まぁアレですし」
「さては照れたな?」
「ちゃちゃちゃちゃうわい!」
『誰のマネやねん……』
朝、部屋に陽の光が差し込むと、ルムたんがすぐに起床。俺はというと、あのまま部屋の隅で眠り、あまり良く眠れなくて変な感じで過ごしていたら朝になっていたというヘタレ仕様。
女の子に挟まれて川の字とか無理ですから。
「……ん……あれ……もう朝なの?」
「その様じゃな」
「ふぁぁ……。みんな早いね、おはよ!」
割と目覚めの良いモモは起きるとそのまま顔を洗いに。ルムたん起床から続々とみんなが目覚めて準備もサッと終えてしまう。
そしてそのままぶらりと街を散策して朝ごはんがてらに買い食いをしつつ朝を満喫。やっぱこの街のご飯最高ですわ。
そんなこんなで腹ごしらえも済み、ルムたんがソワソワし始める。まぁ、流石に今日も居たら帰れなくなっちゃいますからね。
「さて、妾もそろそろ立とうかの。このままじゃとズルズル残ってしまいそうじゃ」
「楽し過ぎて?」
「……そうじゃな、無理に偽るまい」
あら素直なルムたん。
「こんな関係は初めての経験じゃ。また必ず戻ってくる」
「オッケー! 絶対だからねー!」
「ほれ、アンダーソン」
ルムたんが両手を差し出して俺を見つめている。
仲間にしてあげますか?
はい
▷いいえ
「さて、俺たちはこれで……」
「待たぬか」
だがしかし、ルムたんに回り込まれた!
やべぇアンダーソンは追い詰められている。
「ほれほれ、あまり乙女に野暮な事をさせるでない」
「いやいや……それは……」
「どーん!」
「ちょっ!?」
モモの攻撃! 後ろから突き飛ばされた!
嘘でしょ、味方の裏切りよ!
「あ、あの……ルムたん?」
「なんじゃ?」
ルムたんを抱きしめ、そしてルムたんに抱きしめられる。ふぇぇ……力が入らないょぅ。。。
「なんか……段々と大胆になってません?」
「お主相手に臆しておっては魔王は務まらん」
「そこで魔王出してきます?」
「それに、付け込まれるだけと分かったからの」
くっ……やはりあの時調子に乗りすぎてたか。やべぇ余計な事しちゃったぜ、まさかルムたんの攻める姿勢を育てる結果になるとは……。
めっちゃルムたんがギュッとしてくる。しかしこの訳の分からない状況にも段々と慣れてきてる気がするから慣れって恐ろしい。嘘です全然慣れません、心臓バクバクで手汗めっちゃかいてます。
「さて、ではそろそろ行こうかの」
「ん、ルムたんも元気で」
「お主らこそ、あまり無茶はせぬようにな」
「はーい! またねールムちゃん!」
何だかんだとあったけど、これにてルムたんもパーティから離脱。ずっと賑やかだったからなぁ、寂しくなりますわ。