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オタクアンダーソン-神の手違いで異世界へ-  作者: 生くっぱ
第一章【ダンジョン攻略と過去の遺物】
33/97

第32話 むしろシツコい汚れを落とした後に残った汚れこそ真のシツコい汚れ、日常の隠れボス。

「どうも本当らしいわよ」

「まさかこのツインドラゴンテイルで?」

「なんだそれは! 横柄が過ぎるぞ!」


 そうは言っても状況は確認しないと分からないので、ひとまず内容を確認すべくその場から移動。元々人は多かった中でもやけに人の多いルートがある事に気が付き、そちらに舵を切って進む。心なしかパイセンの表情が険しくなっている気が。


 やめておいた方が良かったか?

 いやでもイベントの気配を感じるのに情報を持たずに帰るのは色んな意味でマズイ。パイセンには悪いがもう少しだけ踏み込ませてもらうか。


「これは明らかに人為的なもので……」

「犯人は少し行った先の王国の貴族らしいぞ」

「これは事件だな……」


 民衆は口々に自身の聞き齧った情報を開示共有し、精度を高めようと躍起になっている感じだ。んーこれは何か事件でもあった訳?


「数日前ダンジョンに入った二人を見たぞ」

「私も見たわ」

「俺の知り合いもあの周辺を張っててな、この辺りのやつじゃねーって少しざわざわしてたもんだ」


 聞こえた範囲のスピーチの内容も今の所は特筆する点も無し……ダンジョンに二人でって普通の事ですよね。多分。そして隣のパイセンはどうにも険しい表情で落ち着きの無いご様子。


 余所者? 二人? 数日前?

 いやナイナイ。

 まさかね。



「あの八岐大蛇の伝説のあるダンジョンだぞ、たった二人で正攻法で攻略出来るわけないだろ」

「何かしやがったのか?」


 え? やまたの……あれ? 待って、え?

 八岐大蛇ダンジョンに二人で? あんな難易度の高いダンジョンにたった二人で? あり得る? あり得たわ。そんなバハマ。


 なんか急に空気が怖い。あれ?


「ましてやそこから数日でダンジョンは消滅したからな」

「普通の手段じゃねーだろうな」

「そりゃ攻略したとて急にダンジョンは消えてねーからな」

「大体一ヶ月くらいかけて奥から順に消える筈だ」

「入った奴らは出てこなかったらしいぞ」


 あれ? これってもしかしてもしかするパターンのアレ? この雲行きはもしかしなくても? かもしか? 


「手段はわかってないらしいな」

「こりゃもう犯人ってレベルの話だ」

「犯人は割れてるのか?」

「えぇ、皆様も良く知っている名前らしいですよ」


 しかもこれなんか……うん。流れがおかしい、戦犯扱いですか。まぁ考えてみたら双頭のうちの一首取りましたからね、こういう流れも想定するべきでしたか。これはちょっとヤバイかも。確かに街の歴史と文化に手を出して現状に影響ない訳ありませんわ。


 いやー迂闊だった。


「王家と婚約状態のやつだよ」

「噂に聞いた事あるだろ? 婚約からトンズラした二人さ」

「その片割れが今回の犯人らいぞ」


 んん? おやおや?

 俺すら知らない情報が?


「……ごめんなさいアンダーソンくん」


 そして隣にいたパイセンは今にも泣きそうな顔をしており、この流れが真実である事を物語る。


「あれだよ、シードレプグルス家だ」

「あーあの王族の面汚し、ルナレシアか」

「奴が?」

「どうやら今回のダンジョン潰しの犯人みたいだな」


 あらー、そうきます? そう来る感じの?

 ならば答えは簡単。

 よし、とりあえず逃げるか。

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