第27話 サプライズは皆んなで楽しめる物にしないとスベる。
パイセン、心配させてゴメンな? 俺……馬鹿だからさ。無茶しないように……側にいてくれないか?
とか言えたら良かったんですけど所詮妄想なんですよね。実際はこんな感じでした。
「あ、いや、あの……ほら、あれっすわ、取り敢えず千狐さんのそれの為に来てるからまず、ほら、アレがアレだと思いません?」
とかってね。ほんと俺ってヘタレ。タハー!
は? どどど童貞ちゃうわ!!
「そうね……まずはそっちからかしら」
「そうそうそうに決まってますからととと取り敢えず離れませんかね」
「……ゴメンなさい」
グェェヘタレ過ぎるンゴ。こんなね、ラブポイントとか今までの人生にありました? 二次元の奇跡としか考えてなかったのに……ねぇ? 急にこられてもそんなの無理ですから。
それより向こうをね、向こうがね。ほらね。
「パイセン立てる? むしろ怪我は?」
「私は大丈夫、千狐ちゃんが守ってくれたから。貴方こそ……」
「俺はへーきへーき。ギャグ枠って殺しても死なない様に出来てんだよアレ」
「何の話してるの?」
哲学ですかね。いや嘘です哲学様本当にすいませんでした。まぁパイセンは怪我も無いみたいだしそこは良かった。俺はパイセンと二人で千狐さんたちの所へと合流した。
「ゴメンゴメン、そっちどうよ?」
『今ルムが診てくれてるんやが……』
「怪我や損傷はないのじゃ、後は魔力的な疲労がどこまで進んでおるかじゃが……」
「あ、そこは対策しといたから多分大丈夫だと思うわ」
「対策? いつの間にそんな事をしたのじゃ?」
「千狐さん、お嬢って子は名前なんてーの?」
『お嬢の名前? モモや。それより対策って何やねん』
「モモね、おけおけ。因みにモモさんって元々激烈に強かったとかないよね?」
『……せやな、普通の女の子やったわ。何が言いたいんやアンディ?』
「よっしゃ! ステータス、オンザマイケル!」
「何言っておるのじゃ」
俺は自身のステータスを公開した。
名前:アンダーソン
称号:神に選ばれし超絶オタクガチ勢
レベル:461
HP:26807
MP:8869
筋力:26587
敏捷:28009
耐久:26780
精神:25993
魔力:26011
スキル
【幻夢之懐】
パーティオン
【パイセン:レベル428】
【ルムたん:レベル485】
【モモさん:レベル385】
あれ? スキルがなんか進化し過ぎて変な事になってるな……まぁそれはいいか。よしよし、モモさんがちゃんと育って……あれ? 魔王クラスになってますねぇ……。
「さっきの八岐大蛇さ、ルムたんより強いって聞いてたから倒す前にモモさんもパーティに組み込んでたんだわ。レベル上がったら下手に回復するより回復するじゃん?」
『なんやて!? ほ、ホンマや……それならお嬢は……』
「ん、多分体力とか魔力面では身体に馴染みさえすれば危険はないと思われ」
「ほぅ……アンダーソン、お主なかなかやるのぉ。妾のレベルが上がったのなぞ何年ぶりの事か」
「もう何か現実が分からないわね。この間までレベル10そこそこだったのに……」
「それになかなか見込みのある戦いじゃった。お主とおるのも悪ぅないのぉ」
「ま、そこは置いといて。とりまモモさんでしょ?」
俺がそう言うのとほぼ同じタイミングで。
「ん……」
『お嬢!?』
モモさんが目を覚ました。