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オタクアンダーソン-神の手違いで異世界へ-  作者: 生くっぱ
第一章【ダンジョン攻略と過去の遺物】
11/97

第11話 可愛いいは正義ってのは本人が振りかざして良い権利ではないと思うんですがそれは

『かつて封印された場所と今の地形がそれ程変わっとらんのやったら多分そんな離れとらん筈や。はよ行かんと』

「ふーん、頑張れ千狐さん。んじゃ乙」

『待ちーな』


 これはこのまま行ったらヤバイ流れに乗るフラグがプンプンするので俺は足早に退散しようと回れ右。さぁ進もうと言うところで千狐さんの尻尾に捕まる。あ、それ伸びるんですね。


『なぁアンディ、分かるやろ?』

「え、全然わかんないんですけど」

『分かるやろ?』

「全然わかんないんですけど」

『分かるやろ?』

「エンドレスループワロタ」


 んもーこれあれじゃん。


 ______

 はい

▷いいえ


『そこをなんとか!』

 ______


 の奴じゃん。はいを選ばないとストーリー進まない強制ルートですね分かります。あれさ、これってそういう感じの流れなの? 俺はてっきりここで装備品的な物が揃っていよいよそれっポイ雰囲気になるのかと思ってたら、これですよ。


 まだ白ティーにフンドシ、ピンクの羽織ですよ? で、更にそこに小動物添えると。ちょっと完成形を想像してごらん? ほらね、テラ混沌(カオス)


 何、俺をどうしたいの? 無理無理、俺は短い夢だとしても自由にこの空気を満喫したいから。なんならまだカケラも満喫してませんから。ここはNOで通すしかないってばよ。


「ねぇ、千狐さん」

『どないしたんや、……えーっと』

「ルナレシアよ」

『ルナな、ほんで何や?』

「つまり貴方は大昔に封印されてた過去生命で、使命を持ってここにいる。そしてそれを果たす為に力を貸して欲しい。つまりそういう事?」

『せやせや、アンディと違って物分かりえーな』


 千狐さんのとばっちり攻撃!

 おふっ、アンディに1568のダメージ。

 残り体力12718、余裕過ぎワロタ。


「ねぇ、アンダーソンくん……」

「何でパイセンがそんな目でこっち見てくるの? 仲間になりたいの?」

「千狐さん、助けてあげられないかな……」

「それをするとそいつの存在意義を奪う件について」

「え?」


 そう、これだ。

 もうこれしかない。

 俺はここで勝負するんだ!


『ワイは一人やったら無理やねん。助けてーな』


 千狐さんの雑論破攻撃!

 ごふっ、アンディに1389のダメージ。

 残り体力11329、余裕過ぎワロタ。


「いや、でも俺関係ないから……」


 そう、俺は部外者、圧倒的他人。もうこれでいくしかない。ビバ知らんぷり。別に関わる理由なんてどこにもないですしおすし……。


「ねぇ……私も行くからさ。ダメかな?」


 パイセンのウルウル攻撃!

 ひでぶ! アンダーソンに18769826のダメージ。

 残り体力マイナス18758497。

 そりゃねーぜパイセン……。


「……確かお嬢とか言ってたっけ?」

『ん? 救助目的やったらそれであっとるで』

「つまり女の子がピンチで待ってるって事?」

『せやな、なんならさっきの話と併せて考えたら800年は待っとるな』

「……パイセンは行くの?」

「一人だと不安だけど、関わっちゃった以上はもう見過ごしたくないの。お願い、アンダーソンくん」

「……しゃーない。ま、それもまた一興か」

『ホンマか! いやー助かるわ、おおきに!』


 あぁ……結局こうなりますか。ヤベェこれ完全に何かのルートに入ってますよ。別ルート突入イベントですよこれ。さらば神より与えられしハッピーセット。ヘロウハッピールナチコセット。


『取り敢えず場所移さんか?』

「あー、確かにそろそろお腹空いてきてるわ。帰ろっかパイセン」

「そうね、まだここからだと帰るのにかなり時間が……」

「【スキル:瞬間移動】」


 そして俺たちはパイセンの村へと一旦帰還する事になった。




 ______





「……あれ?」

「ふぅ疲れた疲れた。俺は村長のとこに行ってるわ。千狐さんはこっちね」

『なんやアンディやるやん。どういうスキルなんやそれ、そんなん聞いたことあらへん』

「まぁオタクガチ勢ですから」

『意味わからんやん』

「……もうなんか驚くのが馬鹿らしくなってくるわね」


 どんどんリアクションが薄くなるパイセンと一旦別れて、俺たちは村長の家を目指す。俺たちっつっても千狐さんったら俺の肩でマフラーしてるんですけどね。なんかもうビジュアルがどんどんおかしくなるんですけどそれは……。


 まぁいいか。


 取り敢えず村長には旅に出るむねくらいは伝えたいし。あの人結構心配しそうだからね。まずは村長のトコ。今日までは泊めて貰おうかな。


「ただいまー」

「あら貴方!? 無事だったのね!」


 ドドドドと迫り来る村長マリアをヒラリと躱し、何とか落ち着いて話ができる状況へと移行する。というかね、何かめっちゃ心配されてた。村長さん超泣きそうになってるんですけど。この人ホントいい人すぐる。


「そんなこんなで旅に出る事になりまして」

「そんな事が……。でもこうして確かに千狐ちゃんがいるから嘘って訳でもないのよね」

『何やアンディの周りは物分かりのえー奴ばっかりやん。アンディも頼むでほんま』

「さり気なくディスらないで貰えませんかね」


 そんなこんなでご飯を囲みつつ三人で団欒。千狐さんは普通に何でも食べれるらしい。今は俺と一緒に何か肉っぽいのと芋っぽいのを食べている。肉にガッツいてる千狐さんテラマスコット。


 さて、そんな事より。いざ旅に出るに当たって村長から色々話を聞いておいた。いくら夢っつったって最低限の攻略情報はないと詰んだら勿体ないし。


 千狐さんの言う【約束の場所】はどうもダンジョンになっているらしい、これはほぼ確定。地図で千狐さんが示す場所に対して、村長が間髪入れずにそこは今はダンジョンになっているわって。結構有名な長い事あるダンジョンだそうだ。


 そこに辿り着くまでに町があるのでそこを経由してダンジョンへ。まぁザックリ言うとそんな流れになるっぽい。


 俺の場合そんな事より服装なんですけどね。良い加減卒業しないと、ね? 村長に返却も出来ませんし。

ま、取り敢えず明日は服買って準備して出発って感じかな。


 いやーホント流されてますわ。

 ヤバイヤバイ。

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