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美少女たちの雑談は日常的!!

「そういえば、咲って、成績どんな感じなの?」

「えーと、まぁ、普通ですよ」

「…...。立方体の公式。いってみなさい」

「……。ちょっとトイレいって」

「今度、勉強するから。あんたも来なさい」

「いや、でも、そんな迷惑ですし」

「来なさい」

「はい」


広い屋敷。

いかにもお金持ちが住むようなその家は、北条瑞希の実家だった。

初めて瑞希の家に来た咲は口を開けっぱなしにし、呆然と立ち尽くす。


「え?瑞希先輩って、お金持ちのお嬢さんだったんですか?」

「まぁ、そうですね」

「そっか、咲は初めてだもんね。そりゃ驚くわ」

咲の表情に、秋穂と瑞希は微笑んでそう言った。


「どうぞ遠慮なく、くつろいでいってください」

「はーい」

「いや、無理です‼︎厳しい!私にはハードルが高いです‼︎」

「大丈夫、おばあちゃん家だと思って」

「あーなるほど。って無理無理」

「さすがに十夜といるだけあって、いいツッコミよ」

「いや!私はボケ担当なんです!」


無言


「なぜに無言‼︎?」


秋穂と瑞希は咲に背を向けて二人で話し始める。

少し、不安になった咲は一歩後ろに下がった。

そして


「咲?あんた、ちょっと今日1日ツッコミやってみたら?」

「え?」


そんなことを言われたのは生まれて初めてだった。

今まで、ずっと十夜がツッコミをしてくれているおかげでツッコミのことなんて考えたことはなかった。


「私は…」


そう、考えてこなかった。

でも、もしかしたら良い切っ掛けになるかもしれない。

自分のスキルを上げるチャンス。


「私は…」


十夜も驚くかもしれない。


「私は…」


秋穂と瑞希は少し目を輝かせていた。


「私は!ツッコミやりません‼︎」


ズコーっと言うベタな音とともに2人は倒れる。


「やらんのかい‼︎」

「私はボケ担当なんです‼︎」

「やりなさい!」

「嫌です‼︎」

「ですが、困りましたわ」

「何がです?瑞希先輩」

「今回物語…ツッコミがいませんわ」


ちらっと秋穂の方をみる瑞希と咲。

秋穂は、ちらっと2人の視線の先を見て後ろを見る。


『いや、あんたあんた』


2人は口を揃えてそういった。

秋穂は口を膨らませる。


「確かに、私はツッコミはできるわよ?でも、思うの。無理矢理やらせるのもどうかって」

「何を正論を言ってるですか?」

「そうですよ。そんなの秋穂先輩ではないです」

「私の何がわかるっていうの?咲。私はね?ずっと頑張ってきた…そう、頑張ってきたの。頑張って頑張って」

「でも、この物語始まってからまだあなたツッコミしてないわよ?」

「……」

「そもそも、前作でもそんなにツッコミしてないですよね?」

「……」

『諦めて、ツッコミやりません?』

「わかった…じゃあ、条件があるわ」

「なんです?」


瑞希は首を傾げながら質問する。


「今度、十夜を独り占めさせてもらうわ」

「待ってください!なら、私がやります!ツッコミ!」

「咲、あんたやらないって言ってたじゃない?」

「十夜は私のものです!」

「お待ちなさい!!ならば間をとって私がやりますわ!」

「あんたには無理よ瑞希!」

「なっ!なぜそんなことを言うんですか!」

「あんたは存在自体ボケなの!ツッコミができるはずないわ‼︎」

「確かに」

「ちょ!2人して!」


瑞希をほっといて、話を始める秋穂と咲。

その状況に、拗ねる瑞希は地面に野の字を書きあ始める。


「さて、どうやって決着つけましょうか先輩」

「そうね、ここはひとつゲームと行きましょ?」

「良いですよ?」


瑞希は野の字を描いている。


「太鼓の魔人で決着をつけましょうか?」

「良いわよ?ちょうど瑞希の家にあるしね」


瑞希は野の字を描いている。


「さて、行きましょか」

「ええ」



スタスタと瑞希の家に上がりこむ2人。

そこで、瑞希は立ち上がる。


「お待ちになって!」

「何よ?瑞希」

「せめてツッコんで欲しいですわ‼︎すごい私虚しいではないですか!?」

「ツッコむってどこに突っ込んで欲しいのよ。私には突っ込む聖剣はないわよ」

「下ネタで攻めるのはやめてください!」

「瑞希先輩、私も聖剣はないです」

「だから下ネタやめて‼︎」

「瑞希、あんたピュアよね」

「そ、そんなことありませんわ!私だって最近の女子高生くらいのお下劣な会話できますわ」

「ほほう」


咲と秋穂は2人してよからぬことを考え始める。


「瑞希先輩って、見るからにスタイル良いし、おかずにされてそうですよね」

「お、おかず?」

「そうね、十夜もきっとそうだわ」

「十夜くんがなんですか!?ど、どういうことですか!?」

「いやいや、最近の女子高生くらいのお下劣な会話できるなら理解できるわよね?」

「えぇ……そ、それは」


ニヤニヤとし始める秋穂と咲とは反対に瑞希は全く理解できずに汗をかき始める。


ちなみに3人がいる場所は瑞希の家の前であって部屋の中ではない。



「ちょっと?そこの悪ガキ2人」



不意に声をかけられ、後ろを振り返る。

そこに立っていたのは、3人のよく知っている顔だった。

漫才研究部の顧問朝比奈陽子だった。



「朝比奈先生なんでここにいるんですか?」今日は土曜日、学校は休み。そこまではいいが、なぜ先生が瑞希の家の前にいるのか不思議になった咲は朝比奈に質問した。


「ちょっとな。これからある人と待ち合わせなんだ。大事な話があって」

「そうなんですか」

「それより、あんまり瑞希をいじめないでやれ。見た目はいい歳の高校生だが中身は小学生だ」

「しょ、小学生!?」


瑞希が反抗する前に2人ははーいと返事をする。


「ところで、先生こんなところで何してるんですか?」

「ああ、実はとなりの学校、春咲学園の先生に漫才部のことで話があるらしくてな。顧問である私が訪問することになっているんだよ」

咲の質問に朝比奈はそう答える


「春咲と言えば、私たちと同じ漫才研究会がある場所ではありませんか?」

「ほう、よく知ってるな。そう。たぶんそのことで、お互いに漫才を見せ会わないかとか言うんじゃないかと予想しているんだ」

「なるほど!それはテスト勉強してる場合じゃないですね!」

「なに、テスト勉強から逃げようとしてんの咲」


咲の頭に秋穂のチョップが炸裂するのだった。


「まぁ、何かするにしても。テスト終わりだろうから頑張るんだぞ3人」


はーいという返事をした3人は朝比奈を見送ると瑞希の玄関へと向かう。


「なんか、他の人の漫才見るのも楽しみね」

「そうですわね」


楽しく笑いながら、3人の勉強会はこれから始まるのだった。

今日も1日平和な日常が流れていくのだった。






「十夜、知ってるか?地球は丸いんだぜ?」

「いいから、勉強しろよ」

「十夜、太陽は暑いんだぜ」

「もういいから、勉強しろ」

「十夜!」

「なんなの!?」

「俺はトイレに行きたいんだぜ!」

「行けよ!勝手に‼︎」

「場所がわからないんだぜ!」

「ここお前ん家だろ!」


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